先日、厚生労働省のWebサイトに2021年3月末現在の確定拠出年金の施行状況がアップされました。それによるとiDeCo(個人型確定拠出年金)の新規加入者52,687人と、2017年4月以来の高水準となりました。新規加入者は、2017年にiDeCoの加入対象が大幅に拡大された直後に急増し、その後は毎月概ね3万人台で推移していましたが、ここ数ヶ月は増加傾向にあります。

■ iDeCo新規加入者数の推移

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また、金融庁のサイトよりNISAの利用状況を調べてみたところ、つみたてNISAについては新規口座の開設が増えているようです。


■ 一般NISA・つみたてNISAの口座数の推移
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※つみたてNISAは2018年に制度開始。

これらの要因は何でしょうか?総務省の家計調査から2020年の各月の収支を調べてみました。

■ 実収入の推移(二人以上の世帯のうち勤労者世帯、以下同じ)4

■ 実支出の推移
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■ 黒字額の推移
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収入については特別定額給付金が支給された5月から7月を中心に大きく増えています。これに対して支出については各月とも全般的に減少しており、結果として黒字額は増加しています。支出については、以下のとおり教養娯楽、交通・通信、その他の消費支出(交際費など)の減少が大きく、コロナ禍の影響が見てとれます。

■ 1ヶ月当たりの支出額内訳(2019年平均から2020年平均の増減額)
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その結果、過去10年で見ても2020年の黒字額は大幅に増えました。

■ 1ヶ月あたりの実収入・実支出・黒字額の推移

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この黒字のうち多くは貯蓄に回っていますが、2020年は有価証券純購入(株式などへの投資)の増加が特に大きくなっています。

■ 1ヶ月あたりの貯蓄純増額と有価証券純購入額の推移

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定額給付金による臨時収入があっても旅行や娯楽に使うことがてきず、加えて株式市場が好調なことで、投資を始めたり増やした人が増えたのかもしれないですね。

iDeCoやつみたてNISAなどの積立投資は、一度始めるとあとは基本的に何もしなくても続けられるので、コロナ禍が収束しても積み立てをやめる人は多くないと考えられます。コロナ禍により、働き方や仕事の進め方などの変化が図らずも進んでいる形となっていますが、積立投資の伸展もそうした変化の一つといえそうです。