今週月曜日の日経朝刊1面トップ記事はこれ。

2016年の確定拠出年金法の改正により、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象は一気に広がりましたが、企業型確定拠出年金に加入している会社員は、その企業型年金の規約でiDeCoへの同時加入を認めていない限り、iDeCoに加入することはできません。

iDeCoへの同時加入を認めるには事業主掛金の限度額を引き下げる必要があり、企業側には特段メリットもないことから、実際に同時加入を認めているケースは非常に少ないのが現状です。また、マッチング拠出が導入されている規約では本人による拠出ができるため、さらにiDeCoへの同時加入を認めることは不可となっています。

日経によると、事業主掛金の限度額を引き下げずにiDeCoにも入れるようにすることを検討しているとのことですが、確定拠出年金全体としての拠出限度額の扱い(管理)をどうするのかや、すでに広く普及しているマッチング拠出との関係など、実現に向けては課題が多いと感じます。このあたりは以下のヤマサキさんの記事に詳しく書かれています。


さらに言えば、仮にこれが実現したとしても、「国民の自助努力による資産形成の充実」というゴールから考えると"コスパ"はあまりよくないでしょう。以前と比べるとiDeCoの加入者は大きく増加したとはいえ、加入可能な会社員全体からすると2%程度に過ぎません。母数が増えても加入率がこの水準では効果は限定です。

これまでも何度か書いていますが、iDeCoの加入者を増やすには第2号被保険者の拠出限度額を統一し、事業主の証明という面倒な手続きを不要にして加入率を高めるのが効果的だと考えます。優先順位からいえば、企業型確定拠出年金を含む企業年金に入っていない会社員に対してこそ、iDeCoへの加入を後押しすることが重要でしょう。

また、企業型に加入している会社員には上記のとおりすでにマッチング拠出という仕組みが用意されています。マッチング拠出導入企業において実際に加入者掛金を拠出している従業員の割合は3割弱であり、iDeCoへの加入率に比べればはるかに高い水準です。従業員にしてみれば、マッチング拠出のほうが手続き面でも手数料の面でも負担は軽いですからね。

したがって、企業型に加入している会社員に対して自助努力による資産形成を促進するということであれば、企業型の実施企業に対してマッチング拠出の導入を促し、なおかつ「加入者掛金は事業主掛金以下でなければならいない」という制約を外すのが効果的でしょう。

そういう意味では、マッチング拠出を導入しない限り必ずiDeCoへの同時加入を認めなければならない状況になれば、マッチング拠出の導入はさらに進むのかもしれません。ただ限度額の管理などで企業や運管に事務負担を強いるような制度改定は避けるべきだろうと思います。