現在、厚生労働省の企業年金・個人年金部会では私的年金の充実に向けた議論が行われていますが、その中で検討課題の1つとして挙げられているのが、企業年金の実施率が低下している中小企業向けの施策です。

関係団体からのヒアリングでは、総合型DBを活用した中小企業の加入促進策として、掛金等への助成を行うことが日本年金数理人会から提言されました。実際に助成金を出すとなれば財源が必要となり、実現のハードルは高そうに思えますが、現に掛金の助成が行われている制度もあります。それが中退共(中小企業退職金共済)です。

中退共では新規加入時と掛金増額時において、事業主が拠出する掛金の一部を助成する仕組みがあります。それは、中退共が「中小・零細企業において単独では退職金制度をもつことが困難である実情を考慮して、中小企業者の相互扶助の精神と国の援助で退職金制度を確立し、これによって中小企業の従業員の福祉の増進と雇用の安定を図り、ひいては中小企業の振興と発展に寄与することを目的と」した制度であるからです。
※パンフレットより抜粋

でも上記のような目的を達成する手段を中退共に限定する必要はないですよね。そう考えると総合型DBに対する掛金の助成というのも十分あり得る施策だと思います。

むしろ、助成の対象を中退共に限定している現状は公平性を欠いており、企業年金も広く対象に含めたうえで、どの制度に加入して助成を受けるのかは各中小企業の選択に委ねるのがフェアでしょう。そうすることで、各企業のニーズにあったより適切な選択がなされるようになり、私的年金の充実にもつながっていくと考えます。