先日の日経に、2つの会社に勤務する場合の社会保険(厚生年金保険や健康保険など)の取り扱いについての記事がありました。

勤務先が厚生年金保険・健康保険適用事業所である場合は原則としてその会社で社会保険に加入することになりますが、短時間勤務などで以下の要件を満たさない場合は加入対象外となります。

<従業員数501人以上の企業、及び500人以下で労使合意により適用拡大した企業>
・所定労働時間が週30時間以上、または以下の4つの条件をすべて満たしている人
①所定労働時間が週20時間以上
②月額賃金8.8万円以上
③勤務期間1年以上見込み
④学生でない

<上記以外の企業>
・所定労働時間が週30時間以上

したがって、例えば従業員数501人以上の2つの企業に週20時間ずつ、計40時間勤務する人は、両方の会社で社会保険の加入対象となります。その場合、日経の記事にあるようにどちらの会社で加入するかを本人が選択することになりますが、保険料や給付額の計算のもととなる報酬は2社分が合算されます。また、保険料のうち会社負担分は2社の報酬の比で按分されるため、本人がどちらを選択しても、本人と2つの会社のそれぞれが負担する保険料に違いはありません。

ということなんですが、2つの会社でそれぞれ「週20時間以上」等の要件を満たしながら働くとなると、これは「本業」と「副業」というよりも、どちらも同じくらいのウエイトの「複業」といったほうがふさわしいでしょうね。そういうケースは珍しいのかなという気もします。

一方で、所定労働時間という概念がない役員の場合は(非常勤役員である場合を除いて)原則として全員が社会保険の加入対象となります。これに関しては明確な法律上の定めはないようですが、昭和24年7月28日付の通知が一応の根拠となっているようです。

したがって、「本業」の傍ら別の会社の役員を務めて報酬を受け取る場合や、2つの会社の役員を兼務してそれぞれから報酬を受け取っている場合は、両方で社会保険の加入対象になると考えてよいでしょう。

<参考記事>