今週は月曜日、水曜日と総合型DBの事務局の方々向けに講演する機会があり、中小企業への企業年金の普及という観点から、私自身が中小企業のお客様に企業年金の導入を支援した事例を交えつつ、総合型DBには積極的に情報開示や情報発信をしてほしいという趣旨の話をしました。

単独で企業年金を実施するだけの体制を整備することが難しい中小企業にとって、実施できる退職金の外部積立制度は、実質的には中退共(中小企業退職金共済)、総合型DC(複数事業主による企業型確定拠出年金)、総合型DB(複数事業主による基金型確定給付企業年金)のほぼ3種類だといってよいでしょう。

総合型DBのほとんどは総合型厚生年金基金からの流れをくむものであり、もともと総合型厚生年金基金の加入対象であった企業にとってはなじみがありますが、それ以外の中小企業にはほとんど認知されていません。逆に言えば、企業年金を実施していない中小企業に対して、その企業が加入できる総合型DBと活用方法を知らせることができれば、企業年金の実施率向上につながる余地は十分にあると考えます。

総合型厚生年金基金では、その設立母体となる組織が存在すること等が要件となっており、各基金の加入対象となる事業所は地域や業種によって限定されていましたが、総合型DBではそのような縛りはないため、一部の総合型DBでは地域や業種を問わず加入できるようになっています。Webサイトの情報をもとに、そのような総合型DBについて一覧の形でまとめてみました。

【留意事項】
・全てを網羅している保証はありません。
・内容の正確性を保証しているわけではありません。
・特定の基金へ加入すること、またはしないことを推奨しているわけではありません。
・各データの時点は同一ではありません。

■Webサイトにて地域や業種を問わず加入可能としている総合型DB
ぜんこくDB企業年金基金
福祉はぐくみ企業年金基金
※みらい企業年金基金とG&E企業年金基金は「2020年4月に統合」とあり。

■規模や財政状況等の一覧
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■給付設計の一覧
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すべての総合型DBに共通しているのはキャッシュバランスプランの給付設計になっている点であり、かつ拠出付与額の設定パターンを複数用意することで、掛金と給付についての透明性と柔軟性を確保しています。一方で財政状況を開示している基金は一部にとどまっています。

これらの総合型DBへの加入にあたっては、主に4点を個別に確認し、比較・検討していくことが必要になるでしょう。
  1. 基金の給付設計と自社の退職金制度の設計の適合性
  2. 積立不足による追加負担の発生リスク
  3. 事務費掛金の水準
  4. 基金のガバナンスや事業継続性