前回の記事では確定拠出年金の受け取りについて、運用を継続しながら取り崩していく場合を想定してシミュレーションしてみましたが、実際には年金としての受取方法には様々なバリエーションがあります。
  • 支給期間を何年にするか
  • 支給回数は年何回にするか
  • 年金保険の購入か分割取崩か
  • 年金保険の場合、確定年金か保証期間付終身年金か
  • 分割取崩の場合、毎回の受取額をどう設定するか
  • 分割取崩で複数の商品で運用する場合、どう取り崩していくか
(実際の選択肢は法令のほか、規約や各運営管理機関の定め、商品ラインナップによって制約を受ける)

例えば、受給開始前の残高が600万円であるとして、これを65歳以降の月々の生活費の一部に充てたい場合、確定拠出年金の受け取りは65歳から5年間として、老齢基礎年金の受給を70歳まで繰り下げるという方法が考えられます。

この場合、生活費の一部という目的からして、確定拠出年金の受け取りは、年金保険(5年確定年金)の購入または定期預金の定額取崩しということになるでしょう。これによって元本を確保し、ひと月10万円(=600万円÷60ヶ月)の年金収入を確実にすることができます。

また、70歳以降は繰下げ受給により月額9.2万円の老齢基礎年金を受け取ることができます(保険料の未納、免除等がない場合)。65歳からの受給開始だと月額6.5万円なので、2.7万円のアップです。この受取方法だと、65歳以降生涯にわたっての年金収入を確実に増やすことができます。

なお、老齢基礎年金の繰下げは行わず、確定拠出年金で保証期間付終身年金を購入することにより生涯の年金額を増やすという選択肢もありますが、現在の金利水準では上記の方法よりも年金収入の増加額は小さくなります。

一方で、公的年金や確定拠出年金以外の収入で最低限必要な生活費を確保できる場合には、確定拠出年金をボーナスのような感覚で受け取って好きなように使うという考え方もあります。

この場合、受取額が多少目減りしても生活に支障をきたすわけではないので、バランス型投信などで運用を継続しながら分割取崩により受け取ってもよいでしょう。

65歳からの10年間、年に2回、「支給時の残高÷残りの支給回数」で計算される額を受け取ることにすれば、毎回の金額は30万円±運用収益(損失)となります。運用結果がよければ受取額が増えるという楽しみもできます。

確定拠出年金の老齢給付金の受取方法を考えるにあたっては、税負担などを考慮することも大事ですが、最終的にはお金をどう使いたいかということなのだと思います。それを明確にすることで、確定拠出年金の受取方法の多様性を最大限に活かすことができるでしょう。