昨日、東京高裁で契約社員にも退職金を支払うよう命じる判決が出たというニュースがありました。

この事件は、東京メトロの子会社であるメトロコマースの契約社員として駅の売店の販売員を長年勤めてきた原告が、正社員との間に様々な待遇の格差があるのは不合理だとして会社を訴えたもので、退職金のほかにも賃金や賞与、各種手当の格差分と慰謝料を合わせて4,560万円の支払いを求めています。

第1審の東京地裁の判決では早出残業手当以外の労働条件の相違は不合理ではないとし、退職金を含む訴えの大半を棄却しましたが、第2審の東京高裁では退職金のほか住宅手当についても支払いを命じており、踏み込んだ判決内容となっています。

なお、退職金については「長年の勤務に対する功労報償の性格をもつ部分すら支給しないのは不合理」とし、金額は正社員と同じ基準で算定した額の「少なくとも4分の1」としたとのことですが、この4分の1がどのような根拠で出てきたのかは記事からは読み取れなかったので、判決文そのものを見てみたいところです。

退職給付に関しては、これまでは正規雇用の社員のみを対象とすることが半ば当然の扱い(注)でしたが、例えば確定拠出年金では契約社員の無期転換に際して非正規雇用の社員についても加入者とするか代替措置として給与の上乗せ等を行うのかといった対応が求められており、労働条件に差をつける場合には合理的な理由を厳格に求める流れができつつあるといえます。

注:例外として厚生年金基金では法令上厚生年金被保険者の全員を加入員とする必要があったが、正社員以外は義務付けられた最低水準である「薄皮部分」しかないケースが多かった。

なお、今回の高裁の判決でも賃金や賞与などの格差については容認されたことから、原告側は認められた支給額が低いとして上告する方針とのことで、最終的な結論は最高裁に持ち越しとなりました。というわけで判決が確定するまでにはまだ時間がかかりそうですが、引き続き注目していきたいと思います。