昨日の記事では、企業型確定拠出年金(DC)の継続的な投資教育においては、まずDCを実施している意味や目的を従業員目線で説くことで、制度を有効に利用してもらうための”投資”教育が生きてくるのだということを述べました。

DCを実施している目的は企業によって様々でしょうが、それは基本的には制度設計に表れるのだと思います。例えば、退職金全体の半分がDCで構成されている場合、会社としては「財務的なリスクを半減させるために半分はDCにした」ということかもしれませんが、従業員目線で見たときには「退職金の半分は会社が決めている(保証している)ので、それを前提にDCの部分は自分の考えやライフプランに合わせた運用方法や受取方法を選択できる制度である」と考えることができます。

また、以前こちらに書いたように、「人生100年時代」を想定したときにはまた別のとらえ方をすることもできます。

そしてDCに積み立てた掛金を従業員にどう運用してもらいたいのかは、商品ラインナップやその提示方法、それに指定運用方法(設定の有無も含めて)に表れてしかるべきでしょう。先日、日立がDCの商品数を現行の18本から9本に半減させるというニュースがありましたが、これは「DCの運用は伝統的資産で分散投資ができれば十分であり、多くの選択肢を用意するよりも選びやすいように本数を絞った方がよい」という考えを示したものだといえます。

指定運用方法については、これが実際に適用されるのは設定後に新たに入ってくる加入者に対してであり、現に加入している従業員には直接関係するものではありません。しかし、指定運用方法をどのような考え方のもとでどの商品にしたのかを従業員に説明することは、会社としてのDCの運用に対する考え方を示すことになります。

こうした考え方を示すことなくただ商品ラインナップの一覧を示して個々の商品について説明しただけでは、多くの従業員は結局どれを選べばよいのか分からなくなるでしょう。むしろ「なぜこのような商品ラインナップにしたのか」「なぜこれを指定運用方法にしたのか」を説明していくことが投資教育そのものだといってもいいと思いますし、そのためには商品ラインナップや指定運用方法を選定したり見直す段階で「これを従業員に対してどう説明するか」ということを第一に考えておく必要があります。