執筆中に調べものをしていて最近知ったのですが、DB(確定給付企業年金)やDC(確定拠出年金)の老齢給付金を年金として受け取ると、金額にかかわらず一律に7.6575%が源泉徴収されることとなっています。詳しくは企業年金連合会Webサイトの「年金と税金」で解説されています(「確定給付企業年金より引き継いだ年金の場合」のほうを参照)。

しかし本来これらの年金には「公的年金等控除」が適用され、65歳未満なら70万円まで、65歳以上なら120万円までは非課税となります。
注:企業年金のほか老齢厚生年金や老齢基礎年金など公的年金等控除の対象となる収入を合算して適用。2020年以降の所得税からは控除額が一律10万円引き下げられる。

したがって、例えば以下のような場合には、勤務先での年末調整とは別に確定申告を行うことで企業年金から源泉徴収された税金が還付される(戻ってくる)ことになります。

・60歳で定年退職後、再雇用により勤務を継続している。
・DBまたはDCを60歳から年金で受け取っており、その月額は源泉徴収前の金額で5万円(年額60万円)である。
・前年末時点で62歳であり、厚生年金など公的年金等控除の対象となる収入はほかにはなかった。

上記の場合を想定して国税庁Webサイトの確定申告書等作成コーナーから実際に作成作業を進めてみました。まず、給与所得については会社から交付された源泉徴収票どおりに入力し、次に年金収入を次のように入力しました。
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実際に企業年金の年金収入がある人は年金基金や金融機関などから「公的年金等の源泉徴収票」が送られてきますので、それを上の画面のところで転記します。区分が「法203条の3第1号~第4号適用分」の4つに分かれていますが、企業年金の受け取りは第4号のところに入力することになります。

現在40歳の私はもちろん公的年金等の源泉徴収票はもらっていませんので、「支払金額」を仮に60万円とし、「源泉徴収税額」を45,945円(=600,000円×7.6575%)としました。

そして他に申告すべきものはないものとしてそのまま進めていくと、「計算結果の確認」のところで還付される金額が次のように表示されました。
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確かに源泉徴収された金額がほぼそのまま出てきていますね。14円だけ還付される額のほうが少なくなっていますが、これは端数処理による影響だと思います。

というわけで、一旦は年金額にかかわらず一律7.6575%源泉徴収されていても、確定申告(還付申告)を行うことで公的年金等控除分を取り戻すことができます(ただし年金額や他の所得の金額が大きい場合には、より高い税率が適用されて追加で税金を納めなければいけないケースもありうる)。

一方でDBやDCの老齢給付金を一時金で受け取る場合は申告書(及び添付書類)を提出することで源泉徴収額自体に退職所得控除が反映されるので、改めて確定申告を行う必要はありません。税制の観点からは、控除額の大きさという点だけでなく、手続き面においても一時金受取を選びたくなるような仕組みになっているということですね。