JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)が毎月発行している「エルダー」の今月号では、企業で行われている50代社員のためのキャリア研修が特集として取り上げられていました(こちらに掲載)。ちょうどそのような研修を提案しているところでもあったので興味深く読みました。以下、内容の一部を紹介しつつ重要だと感じたポイントを3つあげます。

研修後の上司との話し合いが重要

キャリア研修の受講者(50代)を対象としたJEEDの調査によると、研修後の上司への報告に関して「研修内容をもとに今後について話し合った」という回答は25%に過ぎず、「特に話さなかった」「形式的な報告のみで内容までは報告しなかった」が6割以上を占めています。

会社によって状況は様々でしょうし、キャリア研修といっても中身は色々だと思いますが、60歳以降も引き続き同じ会社に勤務することを考えた場合、どのような職務や役割を担い、それに対してどのように処遇されるのかということについて、大きな影響力をもつ立場にある上司としっかりコミュニケーションを取ることは不可欠ではないでしょうか。

調査結果の分析においても、上司への報告時の話合いが手厚いほど研修の効果が大きいという結果が出ています。キャリア研修を行う際には、上司との話し合いを行うことを前提に、本人だけでなく上司に対する働きかけや仕掛けをあらかじめ用意しておくことが重要だと考えます。

外に出られるようにしておくことも大事

JEEDは高齢者の雇用を促進することを目的としていますから、エルダーのコンテンツは必然的に「いかに社内で高齢者に活躍してもらうか」という観点がメインになっています。しかし今回の特集の鼎談記事では以下のような発言もありました。
いつかは出ないといけないわけですから、いまのうちにスキルを身につけるなりして、外に出られるようにしていくことも大事ではないでしょうか。
あるところからは、60歳、65歳を見据えて、会社から出ていく際にソフトランディングさせる研修があってもよいかもしれません。
「すべての企業においてみんなが生涯現役で活躍できる」なんてことはないですから、これは当然のことだと思います。まさに出口戦略、イグジットマネジメントが重要だということです。

下がるキャリアをうまく行うには

これは研修云々というよりも人事制度そのものの問題が大きいでしょう。以下は鼎談記事からの抜粋です。
役職や給料が上がったり下がったりする会社は、下げること、差を付けることに抵抗感や違和感があまりないので、定年延長と組織の若返りの両立を図りやすいのです。でも、だんだん上り詰めていく会社はなかなかそうはいきません。そのような会社の方がずっと多いのです。
「だんだんと上り詰めていく」以外のキャリアを50代に初めて考えていたのでは、実際のところ切り替えるのはなかなか難しいのだと思います。若いころから実力や実績に応じた処遇を行っていくことが、長い目で見れば本人にとってもよい結果をもたらすのではないでしょうか。