1月28日の日経に日立が「第3の企業年金」と呼ばれているリスク分担型企業年金を導入するという記事がありました。
日立からのリリースもこちらに出ています。

リスク分担型企業年金は2017年の制度改正で実施可能となった新しいタイプの企業年金であり、従来型のDB(確定給付企業年金)とは違って積立水準に応じて給付額が自動的に調整される仕組みが備わっており、積立不足となっても企業側は掛金の追加拠出の義務を負いません。

その代わりに企業側は導入時点で一定の「余裕資金」を積む必要がありますが、会計上はDC(確定拠出年金)と同じ「確定拠出型」に分類されるため、退職給付債務を認識する必要がないことが企業側の大きなメリットとなります。

これまでに導入した(または導入を表明した)企業のうち、社名等がわかっているものについて、リスク分担型の導入形態を調べてみました(各種報道やリリースによる)。

・小泉産業グループ:解散した厚生年金基金の後継制度として導入
・新日本空調:従来型のDBからの移行(同時に給付水準を引き上げ)
・南都銀行:従来型のDBからの移行(一部はDCへ)
・富士通:従来型のDBからの移行(現役社員のみ。DBも一部残す)
・日本金属:従来型のDBからの移行
・日立:従来型のDBからの移行(現役社員のみ。同時にキャッシュバランスの指標利率見直しによる給付改善を実施)

第1号の小泉産業グループを除いて従来型のDBからの移行となっており、やはり退職給付債務を削減できるというのが導入のポイントになっているのでしょう。

ただ制度が複雑なことなどから今のところ導入実績は低調です。2019年1月時点で厚生労働省の認可・承認を受けたのは6件、今年3月以降に導入世予定の日本金属と日立を合わせても8件目となります(他にも2019年度からの実施予定のところがいくつかあるかもしれませんが)。

日経の記事には「大手企業で導入が進めば、検討が広がりそう」とありますが、現状の仕組みだと、DCではなくあえてリスク分担型の実施を選ぶ企業はあまり増えないだろうと考えます。

ところで、これを書いている途中で気づいたのですが、日立のリリースによるとDBの制度改定に加えてDCについても以下のような見直しを実施するとあります。
従来は運用の選択肢として18の運用商品が提示されていましたが、従業員の商品選択のしやすさを考慮し、類似商品が重複する状況を見直すことにより、運用商品数を9商品とします。
これはなかなか画期的ですね。多くの企業にとってはこちらの内容のほうが注目に値すると思います。