先日の東洋経済オンラインに、公的年金に関する自民党若手議員へのインタビュー記事が掲載されていました。

制度の具体的な見直しに言及しているのは主に以下の4点です。
  1. ねんきん定期便や年金請求書の記載内容の見直し、リーフレットの同封により、繰下げ受給によって年金額が増えることを明示。
  2. 所得の高い高齢者の年金をカットする在職老齢年金の見直しに着手。
  3. 新たな国庫負担が必要となる国民年金の保険料納付期間の延長はすぐにはやらない。
  4. 週20時間以上働く人全員に厚生年金の適用を拡大する「勤労者皆保険制度」を推進。
1についてはこちらにその具体的な内容が記載されており、2019年4月から実際に見直される予定となっています。

また、2については村井議員が次のように語っています。
年金には高齢者の所得保障という側面もあるため、高所得者の方に年金の一部を支給しないという在職老齢年金制度には一定の合理性があるのはわかる。だが、セットで考えるべきだ。
たとえば、医療・介護の保険料や自己負担の支払いを所得に応じて負担する形に整理することができれば、高所得者は年金をたくさんもらえるが、医療・介護を受けるときには応分の負担を求められるので、全体としては公平な仕組みとすることができる。在職老齢年金制度だけを取り出して、高所得者優遇というのは視野の狭い議論だ。医療・介護や税制まで含めた、トータルな負担を見ていく必要がある。
税制や社会保障については個々の制度の中で最適化を図ろうとしても制度が複雑になるだけで、全体として整合性のとれた仕組みになるとは限りません。全体として公平性を確保しつつ各制度はできるだけシンプルにしていくという考え方は重要ですね。

3に関しては、現在20歳から59歳までの40年間となっている国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を64歳まで延ばすことについてはすぐにはやらないということです。もし延長するとなれば、その分年金金額も増やすことになるわけですが、そうすると基礎年金の給付の半分を賄っている税金からの支出も増えてしまうからです(これについては税負担が増えないようなやり方も考えられますが)。

4は、厚生年金の適用範囲について、現在は週労働時間以外にも賃金月額などの様々な条件がついていますが、これをシンプルに「週20時間以上」のみとすることで適用範囲を拡大させ、今は適用外となっている短時間労働者も将来厚生年金を受給できるようにしようとするものです。

こうした短時間労働者の中には第1号被保険者で国民年金保険料を免除または納めていない(未納)人もいるでしょうから、そうした人たちには適用拡大により基礎年金も確実に受給されるようになります。

今回のインタビュー記事は、全体として公的年金制度についての正しい理解に基づく内容になっていますし、年金部会での議論の内容にも概ね沿ったものだと思います。こうした理解が広まると制度改正も良い方向に進んでいくことが期待できますね。