先日、タイトルを見てなんとなくクリックして読んだこちらの記事ですが、「なるほど」と思えるフレーズがいくつもあってとても参考になりました。

「ビジネスとは社会とのコミュニケーション活動である」
「社会からの『共感総量』で事業の発展性は決まる」
「社員は投資家である」
「優秀な社員から投資を続けてもらえる会社になるための魅力創りをしていかなければいけない」
「社員が10の痛みを伴うものであれば、一気に10やろう」
「逆に社員に10の喜びを与えるものは、一つずつ10回に分けてやろう」
「昆虫として生きるのか、脊椎動物として生きるのか」
 「大事なのは、どちらでもよいので経営者が意識して選ぶこと」
などなど。

なかでも、退職金制度や人事制度の設計(見直し)に関係の深いところでいうと、「社員が10の痛みを伴うものであれば、一気に10やろう」ですね。

処遇の考え方を見直し、新しい方針のもとに制度設計を行う場合、従来の制度を継続したときに比べて不利な扱いになる人というのはどうしても出てきます(処遇の改善を目的とした見直しの場合は別ですが)。したがって、その不利益となる(なり得る)部分について、どの程度考慮し、どのように対応するかが制度設計上の論点となります。

その対応方法の1つとして、経過措置を設けて段階的に調整していく―例えば、新しい制度をそのまま適用すると給与が大幅に下がってしまう社員について、いきなり本来の水準まで減らすのではなく数年かけて段階的に減らしていく―という方法があるわけですが、そうすると給与改定のたびに給与がダウンしていくため、ネガティブな感情を引きずってしまうということになりかねません。

会社としては不利益に配慮したつもりが、新しく掲げた方針の浸透には逆効果となってしまうというわけです。

退職金や人事制度の改定に至った背景や制度改定の内容は様々であり、財務面での制約がかかることもあるので一概にいうことはできませんが、新しい制度に込めたねらいを早く浸透させていくには、不利益への対応はできるだけ改定を行うタイミングで(あるいは改定後短期間のうちに)完結させ、従前の制度を引きずらないようにしていくのが基本だと考えます。