最近は、金融庁がつみたて「NISA Meetup」(つみップ)という名称で個人投資家との意見交換会を開催するようになるなど、投資に関して個人が意見を表明したり情報発信する場(機会)が増えてきていますね。投信会社でもブロガーミーティングを開催して個人との双方向のコミュニケーションを図ろうとする取組みが見られます。

以下は、Twitterで流れてきたブログ記事の投稿です。三菱UFJ国際投信がSBI証券とのコラボでiDeCo(個人型確定拠出年金)のセレクトプラン(SBI証券が新たに提供を始めたiDeCoのプラン。こちらを参照)をメインテーマとして開催したミーティングの内容が紹介されています。

話は少しずれますが、投資が好きな人って情報の収集・発信にとても熱心で(私の比ではない)、ブログやツイッターなどとの相性が非常にいいと思います。今回ミーティングに関するブログ記事はほかにもすでにいくつかあがっています。

上記の記事の中では、SBI証券のiDeCoプランのデメリットとして受け取り時の選択肢が少ないことについて、担当者から「要望はたくさん頂いている」という回答があったと紹介されていますが、そもそも金融機関(運営管理機関)によって受け取り方法の選択肢に違いがあるということ自体、一般にはほとんど知られていないでしょう。

一方で、「セレクトプランの商品数は上限(35本)を超えているのではないか」(⇒ターゲットイヤーファンドは1シリーズで1本のカウント)、「セレクトプランへの乗換期間中に掛金は拠出されるのか」(⇒プラン変更により中断されるのは運用だけで掛金の拠出は継続される)といった質疑応答もあり、投資とは直接関係のないところでの確定拠出年金制度自体の分かりづらさというのが、至るところにあるのだと感じます。

また、プラン変更に2ヶ月程度かかってしまうことについては次のような回答があったことが紹介されていますが、これではさっぱり理由がわかりませんね。
A:プラン変更の手続きで国民年金基金連合会は無関係。SBI証券とレコードキーパー(SBIベネフィット・システムズ)の2社間で書類の手続きをする。ただ、DC資産の現金化には日数がかかる。その後新プランで新たに投資商品を買うとなると、合計で2~3ヵ月はかかる。
レコードキーパーのシステムにそうせざるを得ない何らかの事情があるのだと思いますが、私もそのあたりの実務には関わったことはないので正直よくわかりません。

企業型確定拠出年金のほうでは、法改正で事業主による運営管理機関の評価が努力義務となり、必要なら運管の変更も検討することとされていますが、掛金の拠出は継続できても運用期間が2~3ヶ月中断するとなると結果的に加入者が不利益を被る可能性があるので、よほどのことがなければ実際にはなかなか踏み切れないでしょう。

個人型・企業型を問わず、運管の評価に実効性を持たせて競争原理が働くようにするためには、まずプラン変更に2ヶ月もかかる理由を明らかにしたうえで、どうすればそれを短縮できるかを議論していく必要があると思います。

でもまぁ2016年の法改正前の状況からしたら、こんなミーティングが開催されること自体、考えられなかったことであり、まだまだ十分とはいえませんが、確定拠出年金を巡る状況は大きく進展していることを実感します。