先週25日、岡山で開催された「企業年金トップセミナー」で講演してきました。
1

頂いたテーマは「退職給付制度の最新動向」でしたが、最新動向も織り交ぜつつ、退職給付制度をこれからどうしていくか、ということを考えていく内容にしました。

具体的には先日の「これからの退職給付制度に必要とされるもの」に書いた柔軟性・透明性・信頼性の3つを軸に、「非正規社員を含む多様な働き方に対応したDB制度」「高年齢者雇用への対応を踏まえたDB制度の見直しやDCの活用」の2つをサブテーマとして、事例を交えながらお話しさせていただきました(聴衆は皆さん基金型DBの責任者の方なので)。

その中で、当日はちょっと触れただけだったのですが、この3つは退職給付制度だけでなく、個人(家計)のセカンドライフプランにとっても大事なことではないかと思ったので、ここに書いておくことにします。

柔軟性(多様性)
年齢を重ねていくと、収入を得たり資産を増やしたするための手段や時間はだんだん限られてきます。そうした中で、いかに意識して選択肢を増やしておくか。

例えば、65歳以降も年金以外に収入を確保する手段をもっている、定年後に同じ会社で再雇用で働く以外の選択肢をもっている、という状態であれば、より充実したセカンドライフを送れる可能性が高くなります。

また、一定の収入の中で生活費を賄うため、ライフスタイルや家計を柔軟に見直すことができるかも最終的には重要になってくるでしょう。

透明性
人生100年時代に向かっていく中で、今後は個人個人が自分のセカンドライフをデザインしていくことがますます重要になってくるわけですが、そのためには家計の状況を見える化して把握しておくことが不可欠です。

自分だけでなく、世帯の収支や財産がどうなっているのか。普段の財布はパートナーが握っているとしても、あるいは財布が完全に夫婦別々に分かれていたとしても、時には家計の棚卸しを行って状況を把握し、計画を立てておくことが必要でしょう。

また、相続の観点からは、なるべく早い段階で、親子や兄弟でも情報を共有する機会をもったほうがよいと思いますが、これに関しては、普段からコミュニケーションが取れているか、話し合うきっかけをどう作るかが問題となりそうです。

信頼性(リスク管理)
企業年金では、成熟度が増して(現役の加入者よりも退職後の受給者が多くなっているような状態)掛金収入よりも給付支払が多い状況で大きな運用損失が出てしまうと、そのあと挽回するのが非常に難しくなります。

同じことは家計にも言えて、リタイアしたあと(あるいはリタイアが近づいてきたとき)に大きな損失を被ってしまうと回復させるのは困難です。資産運用は許容できる損失の範囲でリスクを取ること、そして(賃貸でなければ)住宅という大きな資産を守ることも考えておかなければいけません。

例えば、起こりうる自然災害に対して、今入っている火災保険でカバーできているのかといった備えも重要になるでしょう。