先月出版されたこちらの本、著者が友人なのですが、そう言えば共働き夫婦に向けたお金の本ってあまり見かけたことないなと思って買ってみたら、「はじめに」の始めにまさにそれが書いてありました(笑)。

まだ目次と見出しと本文の一部ををさらっと読んだところですが、我が家も共働きなので共感できるところが多くあります。共働きの「家計術」「貯蓄術」「キャリア術」「投資術」などが紹介されており、どれも「うちの場合はこうだな~」と自分ごとに置き換えられそうですが、今回はこのうち我々夫婦が実践してきた「家計術」と「貯蓄術」について書いてみます。

多分、そのまま真似できるケースはあまりないと思いますが、こんなことをやってる人もいるんだと、考え方のところだけでも参考になれば幸いです。

お互いのキャッシュカードを交換して所持

私たちが結婚したのは2005年ですがその時はまだ別居で、2006年9月から妻のいる関西で一緒に住み始めることになりました。その少し前、一緒に伊豆諸島に旅行に行ったときに、妻が突然「キャッシュカードを交換しないか」ということを言い出しました。

なんでそんなことをする必要があるのかと思いましたが、理由を聞くと、
  • 自分の給与からは目いっぱい天引きで社内預金しておく ⇒ すると振り込まれる給与は少しだけ
  • 食料品や日用品など、日々の買い物をするのは自分 ⇒ 残高に余裕がある口座のキャッシュカードを持っておいたほうが便利
とのこと。

確かに、当時の妻の社内預金は一般の定期預金などに比べて金利が相当高く、また、買い物を私がメインで受け持つつもりも全くなかったので、最初は抵抗がありましたがカードを交換することにしました。

やってみると、カードを渡してもネットバンキングは自由にできるので、必要なら私の口座から妻の口座にお金を移して(当時新生銀行は振込手数料がほぼ制限なく無料)お金を引き出すことができ、特に不都合は生じませんでした。

結果として妻の社内預金には着実に資金がたまり、住宅購入時の頭金に充当することができました。今では妻の社内預金は仕組みそのものがなくなってしまったので天引きによる貯蓄はないですが、キャッシュカードの交換制はそのまま継続しています。

「教科書」で紹介されている3つの分担ルールの中では「固定費と日常生活費で負担を分ける」に近いと思いますが、単に便利で効率的な使い分けをしているだけで、どちらが何を負担しているという感覚は全くないですね。

夫婦のすべての口座はアプリで管理

上記のとおり、リアルな家計の財布を握っているのは文字通り妻ですが、全体の資金管理については銀行、証券、クレジットカード、確定拠出年金、すべての夫婦(+子ども名義)の口座を私のほうで見ています。最近はマネーフォワードのような便利なアプリもあって、いちいち各金融機関のサイトでIDとパスワードを打ち込まなくても残高や入出金を見ることができます。

こうしたアプリは一般に「家計簿アプリ」と呼ばれますが、私の場合、細かい出費をいちいち記録したり確認することはせず、全体の残高が1ヶ月でどれだけ動いたかに着目して、予定していた額と大きく違わないかを主に見ています。

続けていると、だいたいどれくらいの幅に収まるかもわかってくるので、すぐに使う予定のないお金はとりあえず短い期間(1年以内)の定期預金に移しておきます。利息はたいして付きませんが、万一IDやパスワードが盗まれたとしても、定期に入れた分はすぐには引き出されないだろうという考えです。

また、現時点の家計全体の残高や月々の収支がほぼ把握できていることで、追加の大きな出費がどこまで許容できるかもすぐに判断できるようになります。

一方で、妻はポイントやクーポンなどを使って節約するのが得意(好き)で、多種多様なカード類を使いこなしています。私はそういうのには基本的に無頓着で、「Tポイントカードはお持ちですか?」と聞かれても面倒で財布から出さないこともあります(使えると知っていれば先に出しますが)。

しかし妻は家計全体についてはそれほど気にしておらず、たまに「どうなってるの?」と聞いてくるくらいで、「こんな感じ」と一目見せればそれで満足してしまいます。


…といったような感じで、これまでのところはお互いの関心や得意分野がかみ合って全体としてはうまくやれているかなと思っているところです。