今月6日、野村証券よりiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の商品ラインナップ拡充と指定運用方法採用のリリースがありました(こちら)。実際に商品が追加されるのは9月3日となっています。

指定運用方法(加入者が自分で商品を選択しない場合に一定期間後に自動的に購入される商品)として採用されたのは、今回追加されるターゲットイヤー型の商品です。

あらかじめ設定された時点(ターゲットイヤー)に向けて資産構成割合を自動的に調整していくターゲットイヤーファンドを指定運用方法として採用したのは、りそな銀行、肥後銀行について3社目となります。

りそな銀行の指定運用方法はターゲットイヤーが2030、2040、2050の3パターン、肥後銀行も2035、2045、2055の3パターンであるのに対して、野村は2030、2035、2040、2045、2050、2055、2060の6パターンとなっています。

例えばりそなの場合だと2040のターゲットイヤーを迎えるのはその時点で55歳以上65歳未満の人となりますが、野村だと5歳刻みの設定のため57歳以上62歳未満となり、より多くの人が60歳に近い時点でターゲットイヤーを迎えられるようになっています。

信託報酬(運用手数料)についてはりそなが年0.2~0.3%台、野村が0.3%台で若干野村のほうが高くなっています。ちなみに肥後銀行の商品は0.6~0.8%台と高めです。いずれもターゲットイヤーに向けて段階的に引き下げられる設定になっています。

また、資産構成割合については、りそなの商品はターゲットイヤー後は株式などのリスク性資産の割合をゼロとしているのに対して、野村はターゲットイヤー後も3割程度はリスク性資産となっています(肥後銀行も25%はリスク性資産)。

りそなの資産構成は60歳到達時に一時金で引き出すことを想定したものであり、野村や肥後銀行は60歳以降も運用を継続しつつ残高を取り崩していくことを想定したものだともいえます。

この資産構成の違いは、指定運用方法ではなく自分で運用商品を選ぶ際の参考にもなるでしょう。すなわち、60歳時点(もしくは70歳までの一時点)で一時金として引き出して使うのならそこに向けて徐々に現金化を進め、60歳以降少しずつ引き出して使うのならリスク性資産も残しつつ運用を継続するということです。