先日、ヘッジ付き外国債券の運用成績を確認する機会があったのですが、その際、期間によっては為替の変動があまりないにもかかわらずヘッジを付けない通常の外国債券の運用成績を大きく下回っていることに気がつきました。

以下は、(例示として)同種の外国債券インデックスファンド(たわらノーロード先進国債券)の四半期ごとのリターンを、ヘッジのあり・なしで比較したグラフです。
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(モーニングスターのデータをもとに作成)

円相場の変動率と重ね合わせてみると、2018年4-6月期のように円安に動いた期間についてはヘッジにより為替差益が得られなくなるので、おのずとヘッジありのほうがリターンが低くなりますが、2017年4‐6月期から10‐12月期までは円相場がほとんど動いていないのにヘッジなしと比べたリターンは1~4%も低くなっています。

外国債券の投資対象国はアメリカだけではないので、ドル以外の通貨(例えばユーロ)との為替の変動も影響してくることにはなりますが、これだけ差がついているのはヘッジコストが高くなっているからではないかと思い、ヘッジコストの推移情報を検索したところ、大和投資信託のマーケットレターのページに見つけました。

2016年12月のレターとあわせて見ると、2015年までは概ね1%未満の水準であったのがその後1%を超え、昨年9‐12月期あたりからは2%を超えてきています(3ヶ月ヘッジコスト・年率)。やはりヘッジコストの上昇が一定程度影響していると考えてよさそうです。

為替ヘッジの基本的な仕組みについては以前こちらに書いたとおりであり、米ドルであれば日米の短期金利差がヘッジコストとなります(その他、マーケットにおける短期的な需給要因によっても変動)。

短期金利は主に各国の中央銀行が定める政策金利やそれに対する予測によって決まりますが、日本ではゼロ金利が維持されているのに対して、アメリカでは2015年12月から利上げが開始され、2017年3月には1%、6月に1.25%、12月1.5%、2018年3月には1.75%、そして6月には2%と小刻みに上昇を続け、それと歩調をあわせてヘッジコストも上昇しています。

今後もアメリカでは小刻みな利上げが続けられる見込みである一方で、日本のほうはゼロ金利がすぐに解除される様子はなく、今後もヘッジコストは上昇する可能性が高そうです。短期的にはヘッジ付き外債は相対的に不利な状況にあると考えてよいでしょう。