一昨日昨日に引き続き、7月26日に改正された確定拠出年金Q&Aについて見ていきます。

来年(2019年)7月から、確定拠出年金(DC)運営管理機関の営業職員による運用商品の説明が解禁されることとなったわけですが、DCの専任職員も含め、個別の運用商品の推奨については従来通り禁止行為とされています。ではどこまでやると「個別の運用商品の推奨」に当たるのか、法令解釈通知やQ&Aで示された内容を確認してみました。

認められる行為

  1. 客観的なデータや一般的なポートフォリオ理論に基づき試算される資産配分を複数示すこと
  2. 運用実績及び手数料について、全ての運用商品のランキングを示すこと
  3. 加入者等から特定の商品についての説明を求められた場合に、運用商品の一覧を示しながら当該商品の情報提供を行うこと
  4. 確定拠出年金で商品ラインアップされている運用商品と全く同一の運用商品がNISA 等の他の制度でラインアップされている場合において、あくまで確定拠出年金の範囲外で、営業職員の立場でNISA 等一般の金融商品の推奨助言を行うこと

なお2点目については以下の注釈付きです。
  • 運用実績や手数料のランキングを示す場合には、恣意的に1つの項目のみを示すのではなく他の項目についても併せて示すこと(但し販売実績のランキングについては多くの人が選択している商品が必ずしも良い商品とは言えないことから適当ではない)。
  • 運用実績を示す場合には、期間はできるだけ長期とすべきであり、特定の運用の方法が有利となるように恣意的に期間を選択することのないこと。

認められない行為

  1. 加入者等の属性を踏まえることなく、また、一般的なポートフォリオ理論に基づかず、1つの資産配分のみを示すこと
  2. 投資対象資産が同一のカテゴリに複数の商品が存在するにもかかわらず、そのうちの特定の商品のみを示すこと
  3. 通常の運用の方法を説明することなく指定運用方法のみを説明すること
  4. 運用商品の一覧を示したとしても、加入者からの求めなく、特定の商品の情報提供を行うこと


…というわけで、「この商品がいいですよ(やめたほうがいいですよ)」という明確な推奨はもちろんのこと、そう受け取られかねない行為、すなわち特定の商品についてのみ説明を行ったり、特定の資産配分のみを提示したりすることまで広く規制されるという解釈になっています。

これに抵触しないためには、運営管理機関としては、一旦全ての商品(全ての資産配分例)を示したうえで、加入者の要望やニーズがある場合には個別に説明を行うという手順を踏まざるを得ないでしょうね。もちろんそのアプローチがマッチする場合もあるでしょうが、まどろっこしくなる場面が多々出てきそうな気がします…。

特に「認められる行為」の4にあるように、つみたてNISAの商品として提示しているときは推奨助言をしているのに、確定拠出年金の商品としてはそれができないとか言われても、客にしてみれば意味不明でしょう。

個人的には、営業職員の一つ一つの行為に縛りをかけるというよりは、加入者の商品の選択内容を職員の評価に反映させないようにするとか、そういうアプローチを考えたほうがいいのでは思います。