昨日の第1回では、会社員が利用できるリタイア後に向けた資産の定期的な積立手段として6つの制度や商品を取り上げましたが、この中には目的を老後資金の積み立てに限定したものと、そうでないものがあります。「目的が限定されている」とは、受け取りの時期や方法、1年(1月)あたりの積立可能額などに一定の制約があることを意味します。

この観点から、各制度(商品)を比較したのが次の表です。
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最も制約が大きいのがiDeCoであり、基本的に60歳になるまでは受け取ることができません。財形年金貯蓄や個人年金保険は中途解約して60歳前に受け取ることもできますが、利子に対する税制優遇措置が取り消されたり、支払った保険料よりも少ない金額しか返ってこなかったりと、不利な扱いを受けます。

これに対して、定期預金の自動積立やつみたてNISAには受け取り(解約や売却)に関する制約は特にありません。したがって、リタイヤ後の資金に目的を限定することなく積み立てることができます。

従業員持ち株会については各社の定めによりますが、一定期間は引き出しができなかったり、引き出すタイミングが限定されている場合もあるので、規約等で確認しておくとよいでしょう。

受け取り(引き出し)に関する制約については、いざという時のことを考えればない(小さい)ほうがもちろんいいわけですが、制約が大きい制度にはその見返りとして税制面での優遇措置が設けられています。これについては次回見ていくことにします。

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