昨日の記事では、退職金制度を若手社員に対するリテンションのための方策として機能させるには、退職時ではなく、一定の勤務期間に達した時点で在職中でも受け取れるようにする必要があるだろうということを書きましたが、制度としては永年勤続表彰やリフレッシュ休暇がこれに近いかもしれません。

永年勤続表彰制度の実施状況
というわけで、実施状況に関する統計がないか検索してみたところ、永年勤続表彰については古いものしか出てきませんでした。
永年勤続表彰制度に関する調査(産労総合研究所2006年11月)

一応ひととおり読んでみたところ、結果の概要は以下のとおりとなっています。
  • 実施率は79.2%だが減少傾向、年功的処遇の見直しとともに廃止の動き
  • 10年単位で実施する企業が多い(勤続10年:57.9%、20年:75.5%、30年:72.4%)
  • 副賞は商品(記念品)が43.8%、賞金(金一封)が36.6%だが現金化の傾向
  • 商品価格は勤続10年で平均3.6万円、20年で7.5万円、30年で13.2万円
  • 賞金額は勤続10年で平均3.6万円、20年で7.4万円、30年で13.3万円

金額水準や実施割合の高い勤続年数を見る限り、定着に対するインセンティブ報酬というよりは、文字通り永年にわたって勤務した社員に対する慰労や感謝、記念の意味合いが強い印象です。最近の調査結果が出ていないということは、制度自体への関心が低くなっているということかもしれませんね。

リフレッシュ休暇制度の実施状況
一方、リフレッシュ休暇については比較的新しい結果が出ていました。
平成25年就労条件総合調査結果(厚生労働省2013年)
※「(5)特別休暇制度」の項目を参照。

リフレッシュ休暇の制度を設けている企業は全体の11.1%ですが、従業員数1,000人以上の企業では40.4%、300人以上1,000人未満の企業だと26.0%と、規模が大きいほど実施率は高くなっています。

また、賃金の支給状況については全体の83.6%が全額、従業員数100人以上の企業では90%以上が全額、つまり有給休暇として付与しています。1企業平均1回あたりの最高付与日数は、全体で6.2日、従業員数1,000人以上の企業では7.7日となっています。

現在の人事課題を踏まえた退職金制度の再考
新卒採用を想定したとき、例えば勤続10年ごとの節目に特別賞与や休暇を付与する場合、その意味合いは支給の時期によって違ってくるでしょう。1回目(10年目)は定着へのインセンティブとして、2回目(20年目)は働き方の見直しや学び直しの機会として、3回目は(30年目)定年後への準備の機会として、といった具合です。

定年が近くなれば、特別賞与については税制優遇のある退職金として後で受け取りたいという要望も出てくるでしょうから、受取方法にそのような選択肢を設けてもよいでしょう。

既存の退職金制度が人事制度の1つとしてその目的を果たしているか疑問があるようなら、その一部を在職中に支給する報酬に振り替えることで様々な人事課題に対応できないか、考えてみるのもいいのではないでしょうか。