今年のHR EXPOでは、昨日の記事に書いたオリックス(株)の定年延長についての講演に加え、展示会の方でも1つ新たな発見がありました。出展者は公益財団法人産業雇用安定センター、人材の送り出し企業と受け入れ企業のマッチング事業を行っています。

同様の事業は再就職支援(アウトプレースメント)サービスとして民間企業も手掛けていますが、当センターは雇用保険二事業の1つとして再就職支援を行っており、情報提供、相談、あっせんについての費用は無料となっています(企業が負担する雇用保険料の一部が財源となっている)。

ちなみに、民間のアウトプレースメント会社の場合は送り出し企業の側が報酬を支払うシステムになっています。

公的機関が行う無料のサービスなので、普通に考えればサービスの質・量は劣るんだろうとは思いますが、リストラによる人員削減等で緊急的な対応が必要なケースではなく、例えば転進を希望するシニア社員への支援策として考えるなら、お試しで利用してみる価値はあるかもしれません。

実績についてはこちらのページに掲載されており、毎年8,000人強のマッチングを成立させています。就職実績を年齢層別にみると、アウトプレースメント会社の場合は60歳以上の実績は少ないのですが(下記リンク先を参照)、当センターでは60歳以上の層が50歳代後半に次いで多いのが特徴と言えそうです。

<アウトプレースメント各社の実績>
リクルートキャリアコンサルティング
パーソルキャリアコンサルティング
パソナキャリア

また、求人(受け入れ側)と求職(送り出し側)、それぞれの人数の推移を見ると、求人数は年々増加しているのに対して、求職数はやや減少傾向にあり、倍率でいうと2017年度は7倍を超えています。

それでも求職に対する就職実績の割合は7割弱にとどまっているので、両者の希望がマッチしていないケースが多いのかもしれませんが、中小企業を中心として再就職先の選択肢が増えてきているのは確かなようです。