昨日、国民年金基金連合会より2018年5月のiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の加入状況が公表されました。前月は1年ぶりに新規加入者が4万人を超えましたが、5月は一転して2.5万人余りに減少しました。昨年(2017年)も5月の新規加入者は前月から大きく減っており、大型連休等の季節的な要因もありそうです。

ただ5月時点の加入者数は914,879人と前月から22,711人増加しており、年内に100万人到達のペースは変わっていません。少しずつではありますが、iDeCoが普及しつつあるといってよいでしょう。

一方で気になる点もあります。自動移換者の増加です。2016年4月以降、新規自動移換者が前年同月を下回ったのは2回だけで、ほぼ一貫して増え続けています。2018年5月の新規自動移換者は11,530人、自動移換者の合計は752,562人と加入者数に匹敵する規模となっています。

<自動移換とは?…以下の記事を参照ください>
増え続けている「DC難民」
自動移換になってしまった人は結局どうしたらいいのか?
自動移換の多くを占める「資産額ゼロ」

この自動移換に関しては、実は2018年5月から新たな対応が取られています。これまでは、企業型DC(企業型確定拠出年金)を実施していた会社を60歳前に退職したあと、本人が自ら資産を移す手続きを行わない限りは自動移換となっていましたが、別の企業型DCやiDeCoの加入者になったときには本人の申出がなくても資産が移換されることになりました。

まず、2018年5月時点の各自動移換者に対して、企業型もしくは個人型の口座情報の有無をレコードキーパー(確定拠出年金の各加入者の情報を記録している機関。日本に4社ある)間で確認し、口座が存在する場合には本人による手続きなしに国民年金基金連合会から当該口座に資産を移換します。これを2018年5月から半年程度かけて行うようです。

また、2018年5月以降に企業型DCの会社を60歳前に退職した者について、資産移換の手続きが行われない場合には以下のような取り扱いとなります。

・退職後6ヶ月以内に他の企業型または個人型の加入者となったとき
⇒その時点で企業型または個人型の口座に資産を移換。

・退職後6ヶ月以内に他の企業型または個人型の加入者とならなかったとき
⇒6ヶ月後に一旦国民年金基金連合会に自動移換。その後企業型または個人型の加入者となった時点でその口座に移換。

なお、口座が同一人物のものかどうかは、以下の4項目の一致をもって判断することとされています。
  • 基礎年金番号
  • 性別
  • 生年月日
  • カナ氏名
したがって、結婚と同時に退職し、自動移換となって姓が変わっているケース(結構ありそうな気がします)ではこの基準を満たさないため、同一人物の口座があっても移換の対象から漏れてしまうことになります(こういうときにこそマイナンバーの出番ではないかと思うのですが…)。

ちなみに、資産額がゼロであっても移換されることで加入者期間が通算されるため、本人にとってはメリットがあります(受け取り可能となる年齢や、一時金で受け取る場合の退職所得控除の計算に関係)。

これは指定運用方法の議論にも当てはまることですが、確定拠出年金の資産は本人の責任で運用・管理すべきという原則は維持しつつも、制度が有効に活用されるように「介入」できる余地がないかは、もっと議論されてよいのではと考えます。