早くから定年を65歳に引き上げた大企業の1つにオリックスがありますが(2014年に実施)、そのオリックスで新たに実施された45歳以上の「FA制度」に多くの応募が集まったというニュースがありました。

こちらのリリースにあるとおり、正式には「45歳からのキャリアチャレンジ制度」といい、概要は以下のとおりとなっています。
 本制度は、45歳以上の部長層以下の社員(一般職含む)が、自ら希望する部門と直接面談を行い、所属異動を実現できるFA(フリーエージェント)制度です。自らの強みや経験、仕事や生活に対する価値観を再認識した上で、新たな分野への挑戦や、これまでに培ってきたスキルを能動的に発揮する機会を提供します。

 オリックスでは2014年に定年を65歳に延長しました。本制度では過去に所属していた部署への応募も可能にし、社会人としての折り返し地点に差し掛かる年代に、今後のキャリアを見つめ直すきっかけ作りを行います。

このほかにも、
課長層以下の新たなチャレンジやキャリアアップを目的とした「社内インターンシップ制度」と「キャリアチャレンジ制度」、57歳以上の社員の活躍を推進する「シニア社員向け社内公募制度」など、多様なキャリアの実現を後押ししています。
と紹介されているように、幅広い年齢層の社員が働き方や仕事を選択できる制度が充実しており、それらの延長線上に65歳定年があるという感じですね。

グループ内で多様な事業を展開しているオリックスだからこそ可能であり、また会社としても必要な仕組みだとも言えそうですが、そのような会社でなくても「自ら希望する部門」を社内に限定しなければ実施は可能ではないかと思います。

つまり、45歳前後の時点で社外に新たな挑戦や活躍の機会を求める社員に対して、転籍(出向)先を紹介したり準備期間として休暇を取得できるようにすることで、新たなキャリアの構築を会社として支援するということです。

そこで新たな経験を積み、より広い視野を持った社員が戻ってきたとしたら、ずっと同じような環境で働いてきた社員よりも長く活躍できる可能性が高くなるのではないでしょうか。ちなみにオリックスにも退職理由にかかわらず再入社の応募が可能な「カムバック再雇用制度」というのがあるようです。

シニア社員を積極的に活用したい会社もそうでない会社も、折り返し地点を迎えた社員に対してキャリアを再構築する機会を設けることが、人生100年時代に向けて今後重要になるのではと考えます。