先日、図書館で目に付いたこの本、見たことあるタイトルだなと思って読んでみました。1

経営コンサルタントが過去の過ちを認めて謝っているという本はなかなかないですね。コンサルティングファームによる従来のコンサルティングの問題点を指摘し、コンサルティング業務の望ましいあり方やクライアントとコンサルタントの正しい付き合い方を提唱する内容となっています。

最終章の「『私生活ならどうか』と考える」の節に出てくる問題の「置き換え」は、本書で提示された問題点が端的に表現されたもので、なかなか興味深い内容でした。例えば…
  • 個人ごとの細かい数値目標を設定し、毎試合その達成度合いに応じてごほうびのアイスクリームの有無が決まる子どものサッカーチームの行く末は?
  • 学校の成績、運動、社会的リーダーシップ、ビジネス感覚の各項目で総合評価され、お小遣いの増減が決められるような環境で育てられた子どもは、将来どんな病気で精神科にかかる?
  • これまで転校が多くてもたいていすぐになじんでた娘が今回の転校先ではなじめず、成績がひどく下がってしまった。今度の学校はサッカーとチアが盛んで、先生もそれらを例にとって授業を進めるが、娘はどちらにも全く興味がなく文句たらたら。母親としては転校先を探す前に娘の成績アップのためのアクションプランを作成すべきか?
といった感じで、2人の子どもをもつ母親としての著者の視点が、コンサルティング関連のビジネス書としては新鮮でした。企業を含むあらゆる組織の人材マネジメントを考えるうえで重要な点を示唆していると思います。

またコンサルタントの使い方に関しても、コンサルタントを雇うべき理由とそうでない理由について以下のようにまとめています。

<コンサルタントを雇うべき妥当な理由>
  • 会社の組織階層に関係のない外部の人の客観的なアドバイスが必要
  • 異なる考え方から得られるものがあるはず
  • 自社にはない専門知識や業務経験が必要
…など

<コンサルタントを雇うべきとは思えない理由>
  • 社内で支持が得られないので自分の考え方を支持してくれる外部の意見がほしい
  • 意思決定が難しいので代わりに決めてもらいたい
  • 自分ではやりたくないが、問題を解決しなければならないのでコンサルタントにやらせたい
…など

コンサルティングを提供する側にとっても心に留めておきたい内容です。