今日は25日、給料日だった方が多いのではないかと思います。この4月に入った新入社員にとっては2回目の給料日ですが、4月の初給料に比べて支給額が減って「あれ?」と思った方もいるかもしれません。

給与から天引きされる厚生年金保険、健康保険などの社会保険料は基本的に「翌月払い」なので、4月に入社した新入社員の場合、4月支給の給与からは社会保険料は引かれませんが、5月以降の給与からは前月分の社会保険料が控除されることとなります。

ではその社会保険料、どんな種類のものがあっていくら引かれるのか、まとめてみました。

社会保険料の種類

給料から天引きされるという意味では税金も社会保険料も同じですが、社会保険料は税金と違って支払った保険料が何の給付に使われるかが決まっています。具体的には以下のとおりです。
  • 厚生年金保険料…高齢になったとき、障害を負ったとき、養っていた家族を残して亡くなったときの年金給付
  • 健康保険料…病院にかかったとき、処方された薬を買うときの保険給付(自己負担は原則3割)
  • 介護保険料…要介護状態になり介護サービスを受けるときの保険給付(自己負担は原則1~2割)
  • 雇用保険…失業・休業等により賃金が大きく低下したり無給になったときの保険給付
  • 労災保険…仕事中・通勤途中の事故などによる病気・ケガのために病院にかかったり休業したりしたときの保険給付
このうち、労災保険と、雇用保険のうち「雇用保険二事業」と呼ばれる部分の保険料はすべて会社負担ですが、その他については会社と本人が半分ずつ負担することになっています。以下、本人負担分として天引きされる額がどう計算されているのかを見ていきましょう。

厚生年金保険料の計算

厚生年金保険料は、大まかにいうと「給与×保険料率」で計算されますが、正確にいうと給与そのものではなく「標準報酬」という金額をベースに計算されます。標準報酬には、月給に対応する標準報酬月額と賞与に対応する標準賞与額があり、厚生年金保険料のベースとなる標準報酬月額は88,000円~620,000円の31等級に区分されています。

例えば、入社時の給与が215,000円だった場合は15番目の等級に区分され、標準報酬月額は220,000円となります。そして保険料率は18.3%なので、その半分の9.15%が本人負担となり、220,000円×9.15%=20,130円が厚生年金保険料として天引きされることとなります(等級の区分と各区分に応じた保険料の額はこちらに掲載)。

一度決定した標準報酬月額は原則として8月まで同じ額を用い、毎年9月にその年の4~6月に実際に支給された給与(残業代や各種手当を含む金額)の平均により改定されて保険料も再計算され、10月以降の控除(天引き)額に反映されることとなります。

一方、標準賞与額は実際の賞与の額から1千円未満を切り捨てた金額(但し1ヶ月あたりの上限は150万円)となり、これに9.15%をかけた金額が賞与に対する厚生年金保険料となります。なお、賞与に対する本人負担の保険料は翌月の給与からではなく、賞与支給時に天引きされることとなります。

健康保険料と介護保険料の計算

健康保険料と介護保険料の計算は厚生年金保険料の計算とよく似ており、やはり標準報酬をもとに計算されます。ただ、標準報酬月額については厚生年金保険よりも等級が幅広く設定されていて、58,000円~1,390,000円の50等級に区分されています。

また、保険料率は一律ではなく、会社(主に大企業)が独自に健康保険組合を設けている場合はその組合で設定した保険料率、会社に健康保険組合がない場合(主に中小企業)は協会けんぽが設定する都道府県別の率になります。

例えば協会けんぽ(東京都)の場合、2018年度の健康保険の保険料率は9.9%であり、半分の4.95%が本人負担分として天引きされることになります。標準報酬月額が220,000円なら10,890円ですね(等級の区分と各区分に応じた保険料の額はこちらに掲載)。

また、介護保険料については健康保険料に上乗せする形で計算され、協会けんぽ(東京都)の場合だと1.57%(本人負担分は0.785%)の上乗せとなります。ただし介護保険料を納めなければならないのは40歳になってからであり、40歳未満の新入社員は介護保険料の天引きはありません。

標準賞与額については厚生年金保険料と同様に実際の賞与の額から1千円未満を切り捨てた金額となりますが、上限については年度累計で573万円に設定されています。

雇用保険料の計算

雇用保険料については毎月の給与総額、及び賞与の総額に保険料率を掛けて計算します。標準報酬は用いません。また、雇用保険については翌月払いではなく、給与(賞与)支払いの都度控除することになっていますので、新入社員も4月から天引きされます。

保険料率は会社の事業の種類によって異なり、2018年度の一般の事業の場合の本人負担分は0.3%となっています。給与総額が215,000円なら645円の負担です(事業別の保険料率はこちらに掲載)。


…というわけで、給与総額が215,000円の場合、天引きされる社会保険料は、
  • 厚生年金保険料:220,000円×9.15%=20,130円
  • 健康保険料(協会けんぽ 東京都の場合):220,000円×4.95%=10,890円
  • 雇用保険料(一般の事業の場合):215,000円×0.3%=645円
で、合計31,665円となります。だいたい給料の15%が引かれていく計算ですね。初めて明細を見たときは引かれる金額の大きさにがっかり?するかもしれません。

しかし、社会保険がなければ年金はないので働けなくなった時点で収入は途絶えてしまいますし、病気になったら医療費は全額自己負担、介護サービスも全額自己負担になってしまいます(正確に言えば、社会保障給付の半分近くは税金によって賄われていますが)。若いときは関係ないと思うかもしれませんが、親がそういう状態になれば自分が負担しなくてはなりません。

今後ますます高齢化が進むにつれて、健康保険料や介護保険料の負担増は避けられないと思いますが、安心して社会生活を送るためには必要な負担だと考えておくべきでしょう。