2018年5月1日付でイデコ(個人型確定拠出年金)公式サイトが更新され、中小事業主掛金納付制度(※)の概要や実施までの流れについての資料が掲載されました(こちら)。

※イデコに加入する従業員に会社が掛金を上乗せする仕組み。事業主マッチング、逆マッチングなどとも呼ばれる。

事業主向けに実施上の留意点や必要な手続きを解説したものですが、対象となる中小企業(従業員数100名以下で企業年金を実施していない企業)がこのような制度があることを認知して導入を決め、担当者が自力で手続きを行うというのは相当ハードルが高いように思います。

中には付き合いのある税理士や社労士のサポートを受けて導入する企業も出てくるかもしれませんが、多くはイデコを取り扱っている金融機関(運営管理機関)が自社プランの営業活動の一環として導入支援に入ることで、実施に至るのではないかと予想します。

それ自体は全く問題ないと思いますが、イデコはあくまで個人が主体であり、イデコに加入するかどうか、加入するとした場合にどの金融機関のプランに加入するのかは本人が決定すべき事項です。したがって、従業員に対して紹介された金融機関のプランへの加入を強制したり、他のプランの選択肢がないかのような説明を行うことはNGです。

これは制度の実施にあたって事業主、従業員側とも最低限理解しておくべき点であり、労使合意の手続きの際の確認事項として入れておくのが望ましいと考えます。