4月20日、およそ10ヶ月ぶりに厚生労働省の企業年金部会が開催されました。今回新たに取り上げられたテーマが「確定拠出年金における兼務規制」。

確定拠出年金(DC)の加入者に対して運用商品を提示したり説明を行う運営管理機関(金融機関)は、加入者の利益を第一に考えてその業務を行うことが義務付けられています。自分や自社の利益を優先して特定の商品を勧めたりしてはいけません。

これを担保するために、運営管理機関の営業職員(支店で通常の窓口業務を行っている職員等)は、DCの加入者に対して商品の提示や説明を行うことが禁止されています。これが「兼務規制」です。

このため、運営管理機関はDC専任の担当者を置いて対応しているわけですが、全国各地の支店にDCにしか対応しない窓口担当者を置くわけにはいかず、必然的にコールセンターやWebでの対応にほぼ限られているというのが現状です。

しかし、例えばつみたてNISAの商品説明はできるのに、同じ人がDCの商品説明ができないというのはなんとも奇妙です。また、DC加入前の人には対してはこうした規制はかからないのに、加入したとたんに規制の対象となるのもおかしな話です。

こうした規制により、結果的に支店の窓口で加入者に対して商品の説明ができないのは、結局加入者のためにならないということで、この規制の緩和しようというのが今回の話です。

兼務規制の緩和については、3年以上前の2014年12月に開催された企業年金部会でも改善事項の1つとしてあげられていた項目ですが、今回ようやく緩和の具体的な内容が示され、実現が見えてきました。

一方で、規制を緩和した後も「加入者の利益が第一」というルールが守られるように、以下の6つの対応案が示されています。
  1. 業務管理態勢の整備
  2. 特定の運用商品の推奨禁止
  3. 利益相反行為の禁止
  4. 加入前の者に対する適切な行為の確保
  5. 運用商品の公表
  6. 加入者に対する説明
それぞれの具体的な内容は当日の「資料3」(こちらに掲載)を見ていただければと思いますが、この中で私が注目しているのは5の運用商品の公表です。運営管理機関に対して、加入者等に提示している全ての運用商品に係る情報をインターネットを利用して公表すること求め、運営管理機関の評価や選択が適切に行われるようにするのがねらいです。

現在でも個人型(iDeCo)についてはかなりの情報をインターネットから取得することができますが、各商品の過去の運用実績などについては公表されていないケースもあります。また、企業型に関しては商品の情報はほぼ公表されていないため、自社のプランにない商品の情報を集めるには労力がかかります。

資料には「企業型年金の運用商品の公表については、改正DC法において導入される事業主による運営管理機関の5年に1回評価に資する措置として対応を検討」とあり、企業型においても情報の開示が進むことを期待したいところです。