昨日の記事では、確定給付企業年金(DB)について、年金資産の構成割合と各資産のベンチマーク収益率から2017年度の平均的な運用利回りを算出しましたが、同様の手法により確定拠出年金(DC)についても2017年度の平均利回りを出してみます。

まず、DC全体の商品選択割合については、こちらに掲載されている統計資料より以下のとおりとなっています。

【企業型確定拠出年金の商品選択割合】
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【個人型確定拠出年金の商品選択割合】
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このうち、預貯金と保険は保証利回りのついた「元本確保型商品」ですが、現状、利率はほとんど0%なので運用利回りは0%とします。また、バランス型については商品によって構成割合が異なりますが、便宜的に以下の割合とします。
  • 国内債券:40%
  • 国内株式:30%
  • 外国債券:10%
  • 外国株式:20%
「MMF」「その他」「待機処理資金」については非常に小さい割合なので無視することとし、4資産の各割合にベンチマーク収益率を掛け合わせると、以下のようになります。

【企業型の平均利回り】
  • 国内債券:11.6%×0.90%=0.1%
  • 国内株式:17.3%×15.87%=2.7%
  • 外国債券:5.4%×4.13%=0.2%
  • 外国株式:10.5%×8.47%=0.9%
  • 合計=4.0%
【個人型の平均利回り】
  • 国内債券:7.1%×0.90%=0.1%
  • 国内株式:13.7%×15.87%=2.2%
  • 外国債券:3.9%×4.13%=0.2%
  • 外国株式:8.7%×8.47%=0.7%
  • 合計=3.1%
なお、投資信託には信託報酬(運用の手数料)がかかりますので、これを考慮すると企業型は3%台後半、個人型は2%台後半といったところでしょうか。元本確保型が過半を占めているため4%程度のDBよりもやや低い水準となっていますが、そもそもDCについては平均値の意味合いがDBとはやや異なります。

以下はDBとDCの運用利回りの分布イメージです。
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企業単位で運用を行うDBでは、極端な資産構成となっているケースは少なく、実際に平均値に近い運用結果の企業が多くなります(但し小規模の簡易型DBでは一般勘定100%である場合も多いので、これをそのままカウントすると1~2%のところにも分布の山ができるかもしれません)。

一方、個人単位で運用を行うDCでは、個人ごとの違いが大きく出ます。元本確保型のみで運用する人が多くいる一方で、全額を株式で運用するなど、DBではありえないようなリスクをとって運用する人もいて(私もそうですが)、運用結果は二極化しています。

したがってDCの場合には、運用利回りの平均値は決して多数派ではなく、0%付近のとがった分布の山から少し外れたところに位置することになります。

来月(2018年5月)から施行される継続教育の努力義務化などの法改正は、このとがった山を右にならしていく(年によっては左=マイナスになることもあるわけですが)ことを意図したものだと言えます。

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