今年(2018年)4月から施行される確定給付企業年金制度(DB)の資産運用等に関する改正事項の1つに、資産運用委員会の設置があります(改正事項全体の概要は厚労省のこちらのページにまとめられています)。

厚労省が定めたガイドラインにおいて、従来は「年金運用責任者を補佐するため、資産運用委員会を設置することが望ましい。」とされていたのが、
年金運用責任者を補佐するため、運用に係る資産の額が100億円以上である場合には、資産運用委員会を設置しなければならない。また、運用に係る資産の額が100億円に満たない場合においても資産運用委員会を設置することが望ましい。
と改正され、資産額100億円以上のDBには資産運用委員会の設置が義務付けられることとなりました。

では、何をもって資産運用委員会が設置されたと言えるのでしょうか?ここでは、規約型のDBについて考えてみたいと思います。

まず、資産運用委員会の役割について、ガイドラインでは、「運用の基本方針、運用ガイドラインや政策的資産構成割合の策定及び見直し、運用受託機関等の評価等に関し、年金運用責任者へ意見を述べること等が考えられる」と定めています。

次に、資産構成委員会の構成については、「資産運用委員会は、規約型企業年金の場合においては、規約型企業年金の実施事業所の財務又は労務に関する業務を担当する役員等及び労働組合等の加入者を代表する者で構成することが考えられるが、実状に応じ、専門家等の外部の者を委員とすることも考えられる」と定めています。

規約型DBにおける意思決定はあくまで事業主が行うべきものですが、そこに至るプロセスとして、年金財政や運用方針、運用実績についての理解を人事部門や財務・経理部門の責任者、組合の代表者等で共有し、その上で出された意見をとりまとめて事業主に提示するのが資産運用委員会であるということです。

したがって、資産運用委員会という名称の組織・会議体を設置したとしても、関係者の理解を共有する機会が実質的に確保されなければ”名ばかり”ということになります。

逆にそうした明示的な組織がなくても、少なくとも年に1回以上定期的に、関係者の理解度に即した形で運用内容等について報告・説明を受け、質疑応答を行う機会があり、その結果を踏まえて意思決定を行うサイクルができているのであれば、それは実質的には資産運用委員会であるといってもよいでしょう。

ちなみに、私も出ているこちらのページはそんな事例の1つです。