以前、ジェニーに寄稿した「定年以降も生き生きと働くために、知っておきたい3つの選択肢」では、
  1. 同じ会社で働き続ける~継続雇用
  2. 別の会社で働く~転職
  3. 自分で仕事を始める~独立
の3つを紹介しました。

しかし、2020年4月以降に60歳に達した社員については、企業に65歳までの継続雇用が義務づけられることや、多くの企業でその後60歳に達する社員が増加していくことから、今後は再雇用による全員一律の処遇では対応できなくなっていくでしょう。会社によって程度の差はあれ、60歳以降も会社に対する貢献度によって、処遇に幅が出てくることになります。

そうなると、上の3つの選択肢は次のように整理した方がより現実にマッチするかもしれません。
  1. 同じ会社で現役世代に近い役割・処遇で働き続ける
  2. 同じ会社で限定的な役割・処遇で働き続ける
  3. 会社を離れ、社外に新たな活躍の場を求める
ただし1については希望すれば誰でもその道を選べるというわけではありません。これまでと同程度の貢献が期待できると会社から認められる必要があります。世代ごとの社員数の構成など、自分の置かれている環境も大きく関係してくるでしょう。

そういう意味では、1を目指すのであれば、3と同様に自分の(社内における)市場価値を見極め、事前にプランを立てて準備をしておくことが求められます。人事の側からすると、上の3つの選択肢に加えて1を選ぶ(会社に選ばれる)ための要件にあらかじめ社員に示し、準備を促しておくことで、スムーズな移行につなげられるでしょう。

また、2であれば何の準備もいらないかというと、少なくとも役割や処遇の縮小を受け入れるだけの”心の準備”と切り替えは必要になります。それまでずっと上を目指してきた人にとっては、かえって難しいことかもしれません。

いずれにしても定年(あるいは役職定年)までの数年間は、その後の進路を決めるための貴重な期間であり、この期間をどう有意義に過ごしてもらうかは人事にとっての課題でもあると言えます。