なぜ、会社は社員に対してライフプランやキャリアプランの教育を行う必要があるのか、こちらの本を読んでいて(まだ読み始めたところですが)改めて考えがまとまってきたので書いておくことにします。

高齢社員の人事管理
今野浩一郎
中央経済社
2014-08-26


女性やシニアの働き手がどんどん増えてきたことによって、中堅以下の男性社員も含めた働き方は多様化し、人材の質もまた多様化しています。シニア社員がいっそう増加する今後は、さらに多様化が進んでいくことでしょう。

こうした状況では、マネージャは個々のメンバーがどのようなキャリアや働き方を志向し、どのような制約があるのかを把握したうえで、仕事の割り当てや人材の配置を決めていく必要があります。メンバーを従来のように「総合職と一般職の2つで区分する」というようなことだけでは対応できず、より高度な人材と仕事の組み立て能力が求められます。

と同時に、メンバーの側もライフプラン・キャリアプランを自らデザインし、どんな仕事、どんな働き方をしたいかをマネージャにしっかり伝えることが重要となります。メンバーが新入社員や定型業務のみを行う社員であるならともかく、会社に身をゆだねるだけのシニア社員ばかりになってしまったら、マネージャは困ってしまうでしょう。

人材や働き方が多様化していく中で、マネージャによる仕事の割り当てや人材の配置は一方的な指示(あるいは配慮)によるものから、マネージャとメンバーの交渉によるものへと変化していきます。そこでは、マネージャとメンバーを「賢い交渉人」に要請するための教育訓練が重要であると、著者は指摘しています。

社員に対するライフプラン・キャリアプラン教育は、単に社員に安心して長く働いてもらうためのものではなく、また、再就職や独立を支援して早期退職を促すためだけのものでもなく、「賢い交渉人」となって継続して自社でパフォーマンスを発揮してもらうためにも必要なものなのです。