以前、企業における高年齢者の雇用に対するスタンスを3つのタイプに分け、それぞれのタイプに応じた退職金制度について考えてみました。

【積極雇用型】高年齢者の雇用に積極的な企業にふさわしい退職金制度とは?
【限定活用型】高年齢者の処遇にメリハリをつけたい企業にふさわしい退職金制度とは?
【早期排出型】若年齢での転職・独立を促す退職金制度とは?

しかし、考えないといけないのはもちろん退職金制度だけではなく人事制度全般であり、先に考えないといけないのは等級制度や賃金制度、評価制度になるでしょう。

例えば積極雇用型であれば、年齢にかかわらず職務や業績に応じた処遇にしていく必要があるでしょうから、50歳前後の賃金水準が高くなっているようなケースだと、その原資を60歳以上の層に移行させるような見直しが必要になるかもしれません。

また、限定活用型であれば、60歳以降一律に賃金を下げるのではなく、本人の能力等に応じてコース分けを行うなどの工夫が必要となるでしょう。

多くの会社で社員の年齢構成の”山”となっているバブル世代は、10年後には60歳前後に到達することとなります。「とりあえず定年再雇用」で法律上求められている最低限の対応をとっている企業においては、このまま10年後を迎えたときにどんな問題が起こるのかをまず洗い出しておくことが必要ではないでしょうか。

人事制度を見直し、それを定着させるには一定の時間がかかります。今後5年のうちにどこまで対応を進められるかによって、その後の5年間のパフォーマンスが決まるといっても過言ではないでしょう。

人事部門は利益の拡大に直接貢献できる部門ではないかもしれませんが、長期的には人材の確保、開発、場合によっては排出を通じて、企業業績に大きな影響力をもつ部門であるともいえます。特にこれからの5~10年は、バブル世代の高齢化対応という観点で、人事の対応力が問われる時期になってくるのではないかと考えます。