日本の人口は2008年をピークに減少に転じてますが、「生産年齢人口」と呼ばれる15歳以上65歳未満の人口は、それより11年前の1997年から減少し続けています。国の労働力調査による就業者数(仕事に就いている人の総数)も1997年にピークに緩やかに減少していました。

しかし近年は特に女性と高齢者の就業率が高まったことにより就業者数は上昇に転じており、昨年(2017年)は1997年に迫る人数となっています。
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さらに就業者は「自営業主」「家族従業者」「雇用者」の3つに分類されますが、増加しているのは雇用者(会社勤めの人)であり、自営業主は一貫して減少しています。
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しかし自営業主の内訳をさらに詳しく見ていくと、農家などの「伝統的自営業」が大きく減少している一方で、専門職である「士業等」や「雇用的自営等」は増加しています。
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雇用的自営とは、契約上は自営であるものの特定の発注者との関係が強く、「雇用」の要素が強い働き方を指しています。例として保険代理人などが挙げられていますが、例えば「ランサーズ」や「クラウドワークス」から仕事を受けているフリーランスの人などもこれに近いかもしれません。

発注側からすると、直接雇用の場合と比べて労働法制における様々な規制(最低賃金等)を考慮する必要がなく、社会保険の負担もかからないというメリットがあります。働く側にとっても会社のルールに縛られず、自分の生活スタイルに合わせた働き方が可能です。

働き方の選択肢が増えることは、就業率をさらに向上させ、労働力不足を補う意味で好ましいことだといえますが、一方で雇用者であれば基本的に加入することとなる社会保険や厚生年金の対象から外れることになるため、社会保障の面では大きく見劣りします。

政府は、働き方改革の一環として多様な働き方を選択できる社会の実現を目指すとしていますが、そうなれば「自営業者」「被用者(雇用者)」「被用者に扶養されている配偶者」に三分されている年金制度やその他の社会保障制度についても、包括的な見直しが必要になってくるのではないでしょうか。