昨日、厚生労働省のWebサイトに2017年12月のiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の加入状況がアップされました(こちら)。11月の新規加入者は26,661人と2017年に入ってから最少となりましたが、12月は34,391人と再び盛り返しました。

もしかすると、
11月に加入すると初回の掛金引落しは12月
→12月引落し掛金の所得控除は年末調整に間に合わない
→1ヶ月待って12月加入の1月初回掛金引落しにしよう
みたいな人が多かったのかもしれませんね。

12月時点のiDeCo加入者総数は744,690人に達し、1年前の306,314人から実に2.4倍以上に増えました。各月の新規加入者と加入者総数の推移を2016年と比べると、その違いは一目瞭然です。

<新規加入者の推移>
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<加入者総数の推移>
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これだけ増えた要因は、法改正によって2017年から現役世代のほとんどの人がiDeCoに加入できるようになったことです。

しかし、2017年の新規加入者45.8万人のうち半分以上は、実は2016年以前から加入することができた人です(自営業者と企業年金に加入していない会社員)。これらの人は法改正によって何か直接の恩恵があったわけではありませんが、ここだけ見ても加入者数は1年で7割程度増えています。
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これは、税制上大きな優遇措置のあるiDeCoの存在がほとんど知られていなかったためであり、ここまで加入者が増えたのは、法改正をきっかけにiDeCoへの注目度が高まり、金融機関が新規加入者の獲得に力を入れ始めたことが大きかったといえます。

とはいえ、加入対象全体から見た加入率は1~2%程度。本格的な普及には、会社から加入資格の証明をもらわなければならないという煩わしい手続きの解消に加え、手数料分くらいは元本確保型商品でも回収できるくらいの水準に金利が戻ってくることが必要かもしれません。