先週、NPO401k教育協会より、企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査結果が公表されました(こちら)。年に1回ほぼ定期的に行われている調査ですが、前回までの調査より回答数が増えており、人数規模別や業種別のより詳細な結果もまとめられています。

以下、報告書から、継続教育に関する結果をいくつかピックアップして紹介します。

従業員規模50名未満の企業では自社で継続教育を実施

DCの継続教育については、運営管理機関のセミナーにより実施しているケースが多くなっていますが、従業員規模が5000人以上の大企業になると自社で実施する割合が増える結果となっています。これは、専任の担当者や担当部署を置くことで、運営管理機関に頼らずとも実施できる体制が整っているためと考えられます。

一方で、最も従業員規模の小さい集計区分である50人未満の企業においても、自社でセミナーを実施するという回答が最も多くなっています。外部から講師を呼ぶと参加人数に関わらず一定の費用がかかりますから、それだったら自前でやろうということなのかもしれません(そもそも、小規模企業では継続教育の実施率自体がかなり低そうですが)。

なお企業年金連合会でも、昨年から中小企業を主な対象として、共同実施及び訪問実施による継続教育事業を始めていますが、今のところ選択肢としてはほとんど認知されていないのではないかと思います…。

eラーニングによる継続教育の実施が多い情報通信業

継続教育の実施方法は従業員規模だけでなく業種によっても違いがあります。例えば情報通信業ではeラーニングによる実施が他の業種よりも多くなっています。全社員がeラーニングを受けられる環境にある会社が多いということでしょう。

一方、製造業ではセミナーのほかに紙の資料配布やイントラネット・インターネットによるコンテンツの配信など、実施方法が多様化しています。大人数を同時に一か所に集めることが難しかったり、職場でのPCへのアクセスが限定されている場合には、そうした事情を考慮した方法がとられているものと考えられます。

継続教育が従業員の投資行動に与えた影響

「継続教育を実施してよかったと思うこと」(自由回答)には、以下のように実際の従業員の投資行動につながったという回答が見られました。
  • セミナー後マッチング(従業員本人による掛金の上乗せ)の申し込みが増えた
  • セミナーをきっかけに配分変更やスイッチング(運用商品の選択の見直し)をしたという声を聞いた
  • 投資教育を受講してくれた方々が、分散投資を実施してくれた事
  • 制度導入時から見直しをしないままであった社員が、見直すきっかけとなった
  • マッチング拠出の申し込みや金額変更の申し込みがあった
  • 分散投資が進んだ
  • 元本確保型が減少し、投資信託への配分比率が高くなってきている
最終的にどのような投資行動を選択し、どのような結果を得るかは各従業員の自己責任であり、企業側として具体的な数値目標を掲げたりするのはそぐわない面もあるかもしれません。
しかし、DCの実施目的に照らして、有効な制度運営ができているのか、継続教育は目的の達成に貢献しているのかを、従業員の投資行動を通じて定期的に確認していくことは重要だと考えます。