先週1月12日、ASBJ(企業会計基準委員会)より実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」が公表されました(こちら)。

公開草案が公表されたのは昨年の5月10日、これに対して実に253件の意見(多くは反対)が寄せられたのは以前書いたとおりです。その後、ASBJでコメント対応についての議論が行われ、最終基準の公表に至ったわけですが、内容は公開草案と基本的に変わっていません。

本文で修正されたのは、「公表日以後適用する」としていた適用時期が「平成30年4月1日以後適用する」となった点のほか、遡及適用時の会計処理等の補足等にとどまっています。

これまで、従業員等に対して有償ストック・オプションを発行してきた企業においては、基本的にこれを報酬とはみなさず、資本取引として会計処理を行ってきました。しかし今後は有償発行であっても、ストック・オプション会計基準に基づいて人件費として費用計上することが必要になります。

有償ストック・オプションの発行社数はここ数年増加傾向にありましたが、今後は減少する可能性がありそうです。