※この記事の最後に、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入したことで実際にキャッシュバック(節税)できた金額を試算できるエクセルファイルを載せています。

年末が近づいてきて「源泉徴収票から読み取るiDeCoの節税効果」へのアクセスが急に増えてきました。直近ではPVが最も多い記事になっているみたいです。

上の記事を書いたのは昨年の年末。まだiDeCo(または企業型確定拠出年金でのマッチング拠出、以下同様)をやっていない人が、もしやっていたらいくら節税できたのか?ということが分かるようにしています。

しかしこの時期にこのタイトルで見に来てきている方は、今年iDeCoをやって実際いくら節税できたのか知りたい!っていう人のような気がするので、今回ははそちらの観点から書いていくことにします。

以下は、iDeCo掛金の支払い実績がある場合の源泉徴収票のサンプル(主要部分の抜粋)です。
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この中に、今年実際に支払ったiDeCo掛金の額が載っているのですが、それがどこかというと…

左下の「社会保険料等控除の金額」の欄の中、上のほうに小さく「内 ○○円」と書いてあるところを見てください。
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とても分かりにくいですが、iDeCo掛金は厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料の支払額と合算して「社会保険料等の金額」として記載され、その内訳としてiDeCo掛金の支払額(上の例だと276,000円)が小さく載っています。

もし、掛金を口座振替で払っているはずなのにここに金額が入っていない場合、年末調整の手続きが漏れている可能性があります。その場合は年が明けてから確定申告しておきましょう。

<関連記事>インターネットでiDeCoの確定申告をしてみよう!

さて、上記のケースでiDeCoで実際に節税できた金額はいくらになるでしょうか?

iDeCo掛金は全額所得控除されるので、もしこれがなかったら源泉徴収票サンプル上段の右から2つ目の項目「所得控除の額の合計額」が276,000円減って1,330,000円となります。

所得税の計算のもととなる課税所得は「所得控除の額の合計額」の左にある「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引いたものとなるため、課税所得は2,654,000円から2,930,000円に276,000円増加します。

そしてこの部分にかかる所得税の税率は10.21%なので、「所得控除の額の合計額」の右にある「源泉徴収税額」は276,000円×10.21%=28,200円(端数処理あり)増えて148,500円となります。その分、年末調整で戻ってくる税金が少なくなっていたことになります。

※課税所得と所得税率の対応表はコチラ(国税庁Webサイト)。2037年までは復興特別所得税があるので1.021を掛けたものが最終的な税率になります。

<もしiDeCoをやっていなければ…>
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また、源泉徴収票には出てきませんが、住民税も課税所得に対して10%かかってくるので、276,000円×10%=27,600円が、来年6月からの12ヶ月間で天引きされる額に上乗せされることとなります。

つまり所得税と住民税合わせて28,200円+27,600円=55,800円が節税できたということですね。

自分の源泉徴収票の金額から、実際に節税できた額を試算できるエクセルファイルを作成したので、自分のケースで確認したい方は使ってみてください。
iDeCo節税額試算_H29.xlsx
(右クリックで「名前を付けて保存」)

注:2017年の税制をもとに作成しています。2018年以降は結果が変わる可能性があります。また、計算の正確性を保証するものではありません。