これまでも何度か取り上げた確定拠出年金(DC)の指定運用方法ですが、先日りそな銀行から発行された「企業年金ノート2017.12」のコラム欄にて、その具体的な取扱いが解説されています(こちらに掲載)。以下、その内容についてまとめておきます。

1.適用時期

従来のデフォルト商品の取り扱いに代えて指定運用方法に関する規定が適用されるのは、2018年5月以降に新たにそのプランの加入者となる者です。4月までに加入した者については従来どおりの取り扱いとなります。

企業型DCにおいて指定運用方法を設定するかどうかは各社が任意に決めることができますが、いずれにしても労使合意のうえで規約の変更が必要となりますから、来年5月に間に合わせようとすると残された期間は限れらています。ただ、指定運用方法を設定する場合でも、規約の中で具体的な商品を規定することまでは求められていません。

2.設定しなかった場合の取り扱い

加入者が自ら商品を選択しない限り、拠出された掛金は「未指図資産」として現金同様に管理され、加入者への通知が行われます。その後加入者自身の運用指図があってはじめて商品の購入に充てられることとなります。

3.設定した場合の取り扱い

商品の選択が行われていない状態で拠出された掛金が「未指図資産」として管理されるのは、上記2.の場合と同じです。

その後、規約で定めた3ヶ月以上の一定期間(特定期間)が経過したところで指定運用方法について加入者に通知され、さらにその後、規約で定めた2週間以上の期間(猶予期間)が経過したところでまだ商品の選択が行われていなければ、あらかじめ指定運用方法として設定していた商品の購入に充てられることとなります。


というわけで、来年5月に指定運用方法を設定するなら、すぐにでも検討を始める必要がありますが、多くの新入社員が加入する4月までは従来どおりの取り扱いとなることを考えれば、それほど焦って決めることもないと思います。

まずは、指定運用方法にふさわしい商品がどういうものなのかをしっかり議論し、それが既存の商品ラインナップになければ新たな商品の選定も含めて検討するのがよいでしょう。

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