ここのところ、企業型DC(確定拠出年金)の運営管理機関や運用商品の選定に関する依頼が重なり、運営管理機関から提示されているいろんな運用商品を見ているのですが、そこで改めて思うところを書いておきます。

配当なしの指数をベンチマークにしている投資信託

企業型DCの運用商品として採用する投資信託は、基本的に信託報酬の低いインデックスファンドのみで十分と私は考えており、運用実績についてはベンチマークからの乖離が小さいか(信託報酬分のマイナスが出る程度)をチェックすることになります。

しかし、投資対象が同じ(国内または外国の株式)であるにもかかわらず、採用しているベンチマークの指数が商品によって異なるケースがあります。しかも一見しただけでは見分けがつきません。それは、配当を含むか含まないかの違いです。

株式に投資をすれば配当による収益が得られ、DCの運用では配当は分配されず再投資されますから、ベンチマークとして用いる指数に配当が含まれていなければ、その分実績はベンチマークを上回ることになります。これでは適切な評価を行うことはできません。
(参考記事「ベンチマーク「TOPIX」は要注意商品」)

古い商品の信託報酬を引き下げない運用会社

最近はiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAが出てきたことで、信託報酬の低いインデックスファンドが増えてきましたが、同じ運用会社が、古くから提供しているインデックスファンドについては高い信託報酬をそのままにして、新たに信託報酬の低いインデックスファンドを設定するケースが見られます。

中身はほとんど一緒であるにもかかわらず、既存のDCプランで信託報酬の低い新商品に投資できるようにするには商品ラインナップへの追加が必要であり、また本来であれば古い商品と入れ替えたいところですが、商品の除外には制約があるため実際には困難です。付け加えると、総合型DCではプランごとに商品が決まっているので、自社の意思だけではどうすることもできません。

古い商品の信託報酬を引き下げない運用会社は既存の顧客をないがしろにしていると言わざるを得ません。

情報開示が貧弱な運用商品

一般に販売されている投資信託の場合、(読みやすいかどうかは別にして)目論見書や運用報告書が必ずあり、運用会社のWebサイトからこれを閲覧することで商品の詳細を確認することができます。しかし、DCでしか提供されていない一部の投資信託についてはこれらが掲載されていないことがあります。

また、定期預金や保険商品についてはこれまでの利率の推移が参考になりますが、こうした情報を自社サイトで開示している銀行や保険会社は多くありません(特に保険会社)。

せっかくいい商品を提供していても、その情報にアクセスしづらくなっているのは残念です。