先週10月26日、第371回企業会計基準委員会が開催され、「マイナス金利下での退職給付会計における割引率に関する検討」について、審議が行われました。

日銀のマイナス金利政策が導入されて以降、退職給付債務の計算に用いる割引率の設定にあたって参照する債券の利回りがマイナスとなった場合には、現在のところ、「マイナスの率をそのまま割引率とする」「割引率をゼロとする」のいずれも認めるという暫定的な対応となっています。

今年度に入ってこの取り扱いの一本化を目指して審議を続けてきたわけですが、今回事務局から出された提案は、「一本化には退職給付会計基準の抜本的な見直しが必要であり、金利情勢に大きな変化(マイナス幅の拡大等)がない間は、当面、現行の取り扱いを継続する」というものでした。

このテーマに関しては、これまで何度も議論を重ねてきたものの収束する気配はなかったので、まぁ予想通りの展開というところです。

この提案に対し、一委員からは「ゼロとする方法は根拠が乏しく、マイナスはマイナスとして公開草案を出したうえで意見を問うべき」との発言もありましたが、その他の委員からは結論自体には賛同の意見が寄せられ、どちらも認められる取り扱いが継続される可能性が高くなっています。

ただ、結論には賛同する意見の中にもマイナスの率を適用した場合の影響額を開示することとしてはどうかという声もあり、仮にゼロを採用した場合にのみ影響額の開示が求められることとなった場合には、その手間を省くためにマイナスの率を採用するケースが増えるかもしれません。

なお10月31日に公表された「今後の計画」では、11月中の公開草案の公表が目標とされています。実際に11月に間に合うかどうかは微妙な感じですが、少なくとも昨年度のようにコメント募集期間を通常より短縮したうえに年度末ギリギリになってようやく最終基準が出るということは避けられそうです。