前回のクイズでは、企業年金からの給付を年金(分割払い)の形で受け取るのか、一時金(一括払い)の形で受け取るのかをテーマに取り上げました。

ライフプランの観点からこれを考える場合、公的年金(国の年金)をいつから、いくら受け取るのかも併せて考えていく必要があります。公的年金の受け取り開始は65歳が基本ですが、60~70歳の間で選択することができます。受け取りを早くすると年金額は下がり(60歳開始で30%ダウン)、遅くすれば年金額は上がります(70歳開始で42%アップ)。

公的年金は生きている限り受け取ることができ、一定以上の物価上昇にも連動する仕組みであることから、退職金やその他の自己資金、勤労収入で生活費を賄える間は公的年金を受け取らず、できるだけ受け取りを遅らせること(受給の繰り下げ)が基本的には有利な選択です。

というわけで、今回は企業年金ではなく公的年金に関するクイズです。実際に公的年金の受け取りを65歳より後に繰り下げる選択をする人はどれくらいいるのでしょうか?

A:10人に1人
B:
50人に1
C:
100人に1人


…答えは「B. 50人に1人」です。

厚生労働省から今年3月に公表された2015年度の事業概況によると、新規裁定者(新たに年金を受け取り始めた人)のうち、繰下げ受給を選択した人は2.0%に過ぎません。逆に繰り上げ受給(65歳より前に受け取りを開始)を選択した人は10.9%で、こちらのほうが多くなっています。

しかしこれは国民年金を対象とした統計であり、会社員だった人の老齢厚生年金及び老齢基礎年金の繰下げに関しては、記載がないため正確な割合は読み取れません。ただ国民年金同様に、かなり低い割合であることは想像できます。

先日、内閣府の有識者会議で年金の受け取りを70歳よりさらに遅らせる(その分年金額も増やす)こともできるようにするという提言がありましたが、まずは現行制度においても年金の受け取り開始を何歳にするかは選択制であることを周知させるため、ねんきん定期便などでも開始年齢に応じた金額がわかるようにしておくことが重要ではないかと思います。

現在のように、繰下げ受給が普及していない状況で「受給開始年齢を70歳超に拡大」と言っても、「70歳になっても年金をもらえなくなるのか?」という誤解を招きそうですしね…。