一昨日の記事では、企業年金の受け取り方について、税金や社会保険料の観点からは一時金で受け取ったほうが有利なケースが多い一方で、ライフプランの観点からは年金受け取りにもメリットがあることを紹介しました。

しかし、一時金として受け取ったものを自分で年金化することができれば、税制上の優遇を受けながら、定期的な収入を得ることができます。企業年金がなく、退職一時金しかない場合でも同じです。今回は、その方法を考えてみたいと思います。

前の記事でも書いたとおり、確定拠出年金(DC)の年金受け取り方法は多種多様であり、かつ年金開始時の個人ごとの資産残高をもとに商品の購入や取り崩しによって年金化するものです。つまり、DCの年金受け取り手法を真似ることで、一時金を自分で年金化することができます。

年金受け取りのためのDC商品は、基本的に年金保険、定期預金、投資信託の3種類ですので、この3つを使った年金化の方法を考えていくことにします。

1.年金保険による年金化
これは、保険会社が販売する一時払いの個人年金保険を購入することで実現できます。しかし、ちょっと検索してみたところでは、一般向けにこの商品を販売している保険会社は見当たりませんでした。金利が非常に低い状況の中で、保険会社も確実に運用益を確保することが難しく、魅力ある商品を提供することができないからです。

今後、金利が上昇すれば、販売を再開するところも出てくると思いますが、現状ではこの方法は無理そうです。

2.定期預金の活用
DCでは、年金開始時の資産を定期預金に置き、それを定期的(自動的)に取り崩していくことで年金化することができます。ただ、一般向けの定期預金で、それを自動的に徐々に普通預金に振り替えていくようなサービスは見当たりませんでした。そこで、これに代わる方法として、例えば以下のようなやり方があると思います。

1000万円の一時金を10年間の年金として受け取りたい場合、まず100万円は1年目の年金として普通預金に置いておき、残りの900万円については100万円ずつ9個の1年定期預金に分けておきます。そして、1年後に9個の定期預金のうち1つは解約して普通預金に移し、残り8個は再度1年定期預金に預けます。

これを1年ごとに繰り返していくことによって、100万円+利息分が毎年普通預金に振り替えられることとなります。100万円ではなく、50万円ずつ19個の6ヶ月定期に分ければ、半年ごとに普通預金に振り替えていくこともできます(ちょっと手続きが面倒そうですが…)。

また、今は預入期間にかかわらず定期預金の利率はほとんどゼロですが、今後金利の上昇により長い期間ほど定期預金の利率が高くなってくれば、解約時期に合わせて預入期間の異なるものにしておくことも考えられます(例:100万円×9個の定期預金のうち、1年、2年ものを各1個、3年ものを2個、残り5個は5年ものとしておく)。

3.投資信託の定期売却
これについては以前、「確定拠出年金を一旦一時金で受け取ったあとに年金化する方法」の記事にも書いたとおり、投資信託の定期売却サービスを利用することで実現できます(例:SBI証券)。

上記2の例でいうと、1000万円の一時金で投資信託を購入して毎月8万円の売却を設定しておくことで、自動的に毎月8万円の現金が証券口座に入り、運用損失がでなければ10年以上継続して受け取ることができます。

生活資金の一部として考えるならあまりリスクは取れないので、公社債や物価連動国債を主な投資対象とした投資信託が候補になると思います。従来はMMFという非常に安全性の高い投資信託もあったのですが、マイナス金利導入によって運用の継続が困難となり、残念ながら今は取り扱っている金融機関はありません。

また、2の方法と組み合わせて、例えば前半の5年分は定期預金で対応し、後半の5年に備えて半分は投資信託で持っておくという方法も考えられますね。