今週10月10日、衆議院選挙が公示されました。なんかもうほとんど話題に上っていませんが、解散の名目は「消費税の使い道の見直し」です。

8%から10%への引き上げにより見込まれる5兆円強の税収のうち、4兆円余りは借金の返済に回す予定だったのを、その一定部分を教育・保育無償化の財源として利用するというものです。

従来は5%だった消費税を段階的に10%にまで引き上げ、5%の引き上げ分のうち1%分を社会保障の充実、4%分を社会保障の安定(=「借金の返済」)に使うというのは、2013年に社会保障制度改革プログラム法として成立した「社会保障と税の一体改革」の中で定められました。これは自民党、公明党、民主党(当時)の3党合意により実現したものです。

これを見直すことを掲げて解散に踏み切ったわけですから、当初の約束を守れという主張をする政党もあってよさそうなものですが、そんな政党はないどころか、自民・公明以外は全て消費税引き上げ自体の凍結または中止を公約に掲げています。全く争点がずれてしまっています。

ちなみに、教育・保育無償化の財源に関しては、今年の3月に「こども保険」の構想が提言されています。
<参考記事>「こども保険」構想をどう考えるか

このとき、財源として「保険」の仕組みはそぐわないといった議論があったわけですが、今回の消費税の使い道の見直しというのは、結局のところ借金でその財源を賄うということであり、社会保障の財源を増税で賄うことの政治的なハードルがいかに高いかを物語っています。

もう1つ付け加えておくと、「社会保障と税の一体改革」による社会保障の充実には保育所の待機児童の解消加速化が盛り込まれていましたが、いまだ解消には至っていません。受け皿がまだ整っていないのに無償化を実施すればかえって待機児童の増加を招くのではないでしょうか?

子育て支援の財源を充実させるにしても、まずやるべきは無償化よりも待機児童の解消のための人材や施設等の確保ではないかと思います。