自営業者等の第1号被保険者を対象とした国民年金基金制度は、都道府県別の地域型が47、職業別の職能型が25の計72基金で運営されています。このうち、職能型の3つを残した69の基金の合併について、10月5日に契約が締結されました。

最終的には厚生労働省による認可が必要となりますが、2019年4月1日には合併後の「全国国民年金基金」が発足する予定です。

合併は2016年の法改正により可能になったもので、今回の合併の目的には次の3つがあげられています。
  1. 加入員や受給者の皆様の利便性の向上
  2. 事業運営基盤の強化
  3. 事業運営の効率化
このうち事業運営基盤の強化に関していうと、国民年金基金全体の加入員数は2003年度末の78.9万人をピークに減少の一途をたどっており、直近の2016年度末では39.9万人と半減しています。1基金だと、地域型は7千人弱、職能型は3千人弱です。また加入員の高齢化も進んでおり、加入員の半数近くは50歳以上、平均年齢は48.3歳に達しています。

合併による規模拡大で、特に加入員数の減少や高齢化が進んでいる基金については事業運営の安定化を図る効果もあると思いますが、全体として財政状況が改善するわけではありません。

2016年度の国民年金基金連合会の資産運用利回りは5.71%と比較的高い結果になりましたが、年金財政上の積立不足は9002億円から9397億円と拡大しています。本来積み立てられるべき金額である責任準備金4兆9622億円に対して23%の不足です。

計画上の運用利回りである予定利率は今でこそ1.5%にまで引き下げられていますが、1991年度の設立当初は5%以上に設定されており、その当時の加入者に対しては加入時の利率が維持されたまま(掛金の引き上げや給付の引き下げは行われていない)となっています。

そのため、全体としての予定利率は依然として高い状態にあり、新規の加入員数が増えない現状では非常に高い運用利回りが求められるという厳しい状況にあると考えられます。

ちなみに、今回の合併に参加していない3基金について見てみると、歯科医師国民年金基金については加入員数は2015年度末時点で9千人超と比較的大規模ですが、平均年齢は50歳を超えて高齢化が進んでいます。

司法書士国民年金基金については2016年度末時点で加入員数2623人、平均年齢47.6歳とほぼ平均どおり、日本弁護士国民年金基金については2017年4月4日現在で加入員数は9千人超、平均年齢については記載が見当たりませんでしたが、年代別の構成割合から見ると40代半ばと思われます。

これらの基金が合併に参加しなかった理由はよくわかりません。もしかすると、財政状況が比較的良いために合併がデメリットになるということなのかもしれませんが、加入員の状況を見る限りは基金全体と大きな違いはないように思います。