つい先日、2015年度の「国民医療費の概況」が公表されたという記事を書いたところですが、先週9月15日、2016年度の概算医療費が公表されました(こちら)。今回公表されたのは速報値で、その約1年後に確報値として「国民医療費の概況」が公表されるという流れになっているようですね。

速報値には、労災・全額自費等の費用が含まれないことから、確報値の約98%に相当するとあります。

2015年度(確報値)では、国民医療費の総額は42.4兆円で9年連続の増加という結果となっていましたが、今回公表された2016年度の概算医療費は41.3兆円と、概算値ベースで前年比0.2兆円の減少となりました。人口1人あたりで見ても、32.5万円と前年比0.2万円の減少となっています。

概算値ベースで前年度から減少したのは2002年度以来、14年ぶりのようです。

診療種類別に見ると、「調剤」が前年比0.4兆円の減少と医療費全体の減少の主因となっており、2015年度とは対照的な結果になっています。つまり、薬の値段が下がったのが医療費全体の減少につながったということです。

去年の今頃から騒がれ始めた超高額の新薬「オプジーボ」、異例の経過をたどって今年の2月に薬価が半分に引き下げられましたが、医療費の増減により大きな影響を与えたのは2015年度に登場した「ソバルティ」「ハーボニー」というC型肝炎の新薬です。

こちらのサイトによると、ソバルティは1錠6万円以上、ハーボニーは1錠8円以上の初期設定価格だったのが、2016年度からはそれぞれ3割以上引き下げられています。

3ヶ月で100%近く治癒するという効果から2015年度に一斉に使用され、2016年度には必要とされる量が減った可能性もありそうです。

1つや2つの新薬が医療費全体の増減を左右するほど薬剤費のインパクトは大きいということですね。一方で、病気が短期間で治ることで、その後の治療費が不要になるといったプラスの面も考慮する必要はありそうです。