以前紹介した金融庁主催の「つみたてNISAフェスティバル2017」(9月10日開催)について、当日の資料が金融庁Webサイトのこちらのページ(一番下のほう)に掲載されました。

このうち、「私が考える『つみたてNISA』と『iDeCo』の活用法」で紹介された4つのケースについて、少し内容を整理しつつ書いていくことにします。

1.20代、会社員、独身のケース
【積立額】
  • 税制メリット(掛金の所得控除)をフルに生かすため、iDeCoには限度額の月2.3万円(※)を拠出。
  • つみたてNISAについては現状の収支を踏まえて月1万円から始め、今後は1年ごとに見直す。
 ※企業年金のない会社員の限度額

【購入商品】
  • iDeCoについては受け取りが60歳以降になることから、積極的にリスクを取って外国株式(先進国と新興国)のインデックス投信を購入。将来的には年齢の上昇やライフイベントの発生に合わせて債券のインデックス投信を組み合わせる等、リスク管理に留意。
  • つみたてNISAについては運用の意義を実感するためにも、運用方針に共感できるアクティブ投信を購入。

2.30代、会社員、子供(4歳、1歳)のケース
【積立額】
  • 子どもの教育費よりも老後費を優先し、iDeCoには限度額の月2.3万円を拠出。
  • 今の貯金をつみたてNISAを使って4年間40万円ずつ投信に移していく。将来的に大学の学費に充てることも想定。
【購入商品】
  • iDeCoは定期預金35%、株式(日本含む先進国と新興国)65%のポートフォリオを組み、自分でインデックス投信を組み合わせる。55歳くらいで投信の売却方針を検討。
  • つみたてNISAはスイッチングができない(※)ため、バランスファンド1本で運用。リスクはiDeCoより抑える。
 ※iDeCoではスイッチング(商品の売買による入れ替え)に制約はないが、つみたてNISAではスイッチング時の購入額も年間40万円の枠に含まれてしまう。

3.30代、会社員、既婚のケース

【積立額】

  • 所得控除の税制メリットを生かすため、iDeCoには限度額の月1.2万円(※)を拠出。年利1%で最終的に500万円の資産額となる見込み。
  • 65歳までの30年間でiDeCoと合わせて3000万円貯めることを目標とし、つみたてNISAでは残りの2500万円を確保するために年利6%で月2.5万円を積み立て。
 ※確定給付型の企業年金のある会社員の限度額

【購入商品】
  • iDeCoは値下がりしても60歳まで引き出しできないので元本確保型(定期預金または保険)で運用。
  • 米国経済が今後も成長することを期待し、外国株式のインデックス投信により年平均6%の期待リターンを設定。

4.40代、会社員、4人家族既婚のケース
【積立額】
  • 所得控除、(運用益の)非課税メリットを生かしてiDeCo、つみたてNISAとも限度額まで積み立て。
  • つみたてNISAについては妻にも活用を促す。
【購入商品】
  • 運用資産全体で株式70%(日本を含む先進国と新興国)、債券30%(日本を含む先進国)の配分を目標とする。
  • このうち、非課税メリットのあるiDeCoとつみたてNISAで期待リターンの高い株式のインデックス投信を購入し、残りを特定口座で調整する。
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3つ目のケースで「iDeCoは値下がりしても60歳まで引き出しできないので元本確保型」としているところはやや疑問がありますが(引き出しはできなくても定期預金等へのスイッチングは可能)、他はそれぞれ合理的な考え方に基づいた方法だと思います。

唯一の正解というのはないですから、ライフサイクルや収支の状況を把握したうえで、最終的には自分の考えでそれぞれの制度を活用できるようになれば問題ありません。

ちなみに私のケース(もうすぐ40代、夫婦とも第2号被保険者、5人家族)では以下のように考えています。

【積立額】
  • 所得控除、(運用益の)非課税メリットを生かしてiDeCo、つみたてNISAとも夫婦で限度額まで積み立て。枠を超える部分はジュニアNISAを活用。
  • 制度の活用の優先順位としては、自分のiDeCo→妻のiDeCo→夫婦のつみたてNISA→ジュニアNISA
【購入商品】
  • 非課税メリットのあるiDeCoとつみたてNISAでは期待リターンの高い株式(海外がメイン)のインデックス投信を購入。つみたてNISAでは実験的に一部独立系のアクティブ投信を複数組み入れ。
  • 両制度とも基本的に老後資金目的という位置づけであり、リスクをとって運用。50歳くらいから徐々にリスクを落としていく。
  • ジュニアNISAは教育資金と位置付け、相対的にリスクの低い債券(日本の物価連動国債と海外)のインデックス投信を購入。