先週8月16日、国民年金基金連合会より2017年3月末時点の「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況」が公表されました(こちら)。新規加入者等の状況については毎月更新されていますが、年度ごとの報告では、過去数年間の加入者等の推移や、都道府県別、年齢別の加入状況など、より詳しい情報がまとめられています。

自動移換者(企業型確定拠出年金に加入していたものの、60歳前に退職し、正規の手続きを取らなかったために強制的に国民年金基金連合会へ資産が移された者)の推移もまとめられており、2016年度中に自動移換となった者は10.4万人と過去最高、2017年3月末時点で自動移換のままとなっている人は64.8万人まで増えています(ちなみに同時点のiDeCo加入者数は43.1万人)。

2017年より、60歳未満であれば企業型か個人型のいずれかには加入できる状況になったため、自動移換者の解消が期待されるところですが、実際にはむしろ増えてしまっています。個人型の加入対象が広がったことで、企業型からの脱退により特例的に一時金で精算できるケースは非常に限定されたため、今後さらに増加することも考えられます。

自動移換者の移換資産額別の分布をみると、2016年度中の自動移換では資産額ゼロは2.7万人(26%)、2017年3月末時点では26.7万人(41%)を占めています。企業型では、勤続3年未満で退職した場合に掛金を返還させる規定を設けている場合があるため、短期間で退職した場合には移換できる資産がゼロとなることもあります。2017年3月末時点で資産額ゼロで正規移換されているのは0.1万人に過ぎません。

<国民年金基金連合会の資料より抜粋>
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企業型の退職者や自動移換となった者に対して、正規移換の手続きを促すことも重要ですが、実態を踏まえてそもそも自動移換が発生しなような仕組み(例えば、資産額が少額で転職先に企業型確定拠出年金がなく、個人型への移換手続きをとらない者に対しては自動的に脱退させる)も考えるべきかもしれません。