日本に住んでいる以上、手段に関わりなく稼いだお金には税金がかかります。投資も例外ではありません。投資によって得られた利益の20%が税金として引かれる、というのが基本です。

※より正確には、2037年までの間、東日本大震災の復興特別所得税が上乗せされて20.315%となりますが、以下では簡単のため20%として書いています。

1.銀行預金の場合
預金残高が100万円、預金金利が1%だと、1年間で1万円の利息が付きます。しかし利息には20%の税金がかかるため2,000円が「天引き」され、預金残高に加算されるのは8,000円になります(実質的には0.8%の利率)。

2.債券の場合
個人向け国債などの債券については、2種類の利益が得られます。1つは年に2回支払われる利子、もう1つは売却または償還(満期)を迎えたときの利益(購入額との差額)であり、両方に20%の税金がかかります。

例えば、100万円で債券を購入し、半年ごとの利子が5,000円だとすると、このうち1,000円は税金で引かれるので、実際に手元に残るのは4,000円となります。また、売却または償還の額が102万円だったとすると、2万円分が利益となりますが、このうち4,000円が税金として引かれ、手元に残るのは16,000円になります。

3.株式の場合
株式(個別銘柄)についても2種類の利益が得られます。1つは年に1回または2回ある配当金、もう1つは売却による利益(購入額との差額)であり、債券同様にともに20%の税金がかかります。

配当金については、業績が悪化すると出ないこともあります。また、売却時に損が出た場合には税金はかかりません(債券の場合も同様)。

4.投資信託の場合
投資信託の場合も分配金と売却益の2種類の利益があり、かかる税金は債券や株式の場合と同様です。分配金は決算ごとに出ますが、投資信託によって毎月出るものもあれば、ほとんど出ない(再投資される)ものもあります。

ただし分配金のうち、元本を取り崩して支払いに充てるもの(特別分配金)には税金がかかりません。例えば、購入時の基準価格が10,000円、決算時の基準価格が10,500円、分配金が1,000円だったとすると、そのうち500円分には税金がかかり(100円)、残り500円分には税金はかかりません。したがって、税引き後の受取額は900円分となります。

また、分配金を出すことによって基準価格は1,000円分下がることになります。

5.損益通算
例えば、A株式の売却で10万円の損失、B投資信託の売却で10万円の利益が出たとき、利益からは2万円の税金が引かれるため、そのままではトータルで2万円のマイナス(8万円―10万円)になってしまいます。でもトータルでは利益が出てないのに税金を取られるのは理不尽ですよね。

これを回避するために「損益通算」という仕組みがあり、その年に損失と利益の両方が出ている場合には、それらを合算した上で税金を計算することができます。このケースだと合算した利益は0なので、税金も0にできます。

証券会社などで口座を開くときに、特定口座の「源泉徴収あり口座」にしておくと、その口座の中で売買したものについては自動的に損益通算され、自分で確定申告する必要はありません。

また、損益通算しても残ってしまった損失は、その後最大3年間繰り越すことができます。つまり、今年10万円の損失が出た場合、これを繰り越しておくことで、3年後に10万円の利益が出たときの税金負担をなくすことができます。ただしこれには確定申告を行っておくことが必要になります。

6.税金がかからない投資
ここまで投資にかかる税金について書いてきましたが、実は税金がかからない制度が用意されています。1つはNISA、もう1つは確定拠出年金です。

NISAは20歳以上なら1人1つ持つことができる口座で、この口座の中で購入した株式と投資信託から得た利益については税金がかかりません。

ただし年間の購入額は120万円が上限で、非課税となるのは購入から5年後の年末までに得られた利益に限られます。5年後、まだ売却していない分については、NISA以外の口座に移すか、その年の購入枠を使ってさらに5年非課税期間を延長するかを選択することになります。

なお、2018年からは「つみたてNISA」という新しい制度がスタートします。つみたてNISAでは、年間の購入額が40万円に抑えられているかわりに、非課税期間が20年まで延びています。従来のNISAとつみたてNISAは併用することはできず、どちらか一方しか利用することはできません。

もう1つの確定拠出年金は企業単位で実施する「企業型」と個人で入る「個人型」があり、基本的に20歳以上60歳未満であれば1人1つの口座を持つことができます(企業型と個人型を1つずつ持てるケースもあり)。

確定拠出年金では口座へ入金する毎月の掛金に上限が定められており、会社員の場合だと最大でも月に5.5万円、年間で66万円となります(個人型については最大で27.6万円)。

確定拠出年金の口座で購入した定期預金や投資信託から得られた利益については、売買回数や期間の制限なく非課税となります。ただし確定拠出年金は老後資金の積立を目的とした制度であるため、基本的に60歳になるまで資金を引き出すことはできません。

なお、NISAや確定拠出年金で出た損益と、他の口座で出た損益を通算することはできません。