前回「おカネの調達手段と投資の種類」で書いたとおり、投資する側にとってのおカネの投資先は、大きく分けて、

①預金(定期預金):銀行を通じて間接的におカネを貸す
②債券投資:債券を購入することで直接的におカネを貸す
③株式投資:株式を購入することで企業に出資する

の3つです。

これらの投資先について、得られる利益や損失にはどのような違いがあるのでしょうか?

①預金(定期預金)

定期預金の場合は銀行側であらかじめ期間ごとの利率が決められているので、投資した(預けた)時点でその期間に応じた利益が決まります。

銀行は、預金者からおカネを集めて(借りて)、それを企業などに貸し付け、その2つの利率の差で儲けを出します。
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逆に言えば、銀行はちゃんと自分の儲けとコスト(人件費やその他の経費)が確保できるような水準でしか、定期預金の利率は設定しません。

企業は今おカネが余っていて、銀行は貸出先があまりないので、定期預金の利率は非常に低く、0.01%程度しかありません(銀行によっては多少高くなってますが)。100万円を5年預けても利息は500円程度にしかなりませんから、この間に消費税が8%が10%に上がればそれだけで利息分が吹っ飛んでしまいます。

投資先としてはあらかじめ利率が決まっていて安全・確実な定期預金ですが、長い間そのままにしておくと、実質的な価値が目減りしてしまうかもしれません(そもそも定期預金は一般的には投資とは言わない)。

②債券投資

国や企業が発行する”借用証書”を購入するのが債券投資です。債券には、年2回支払われる利息と借りたおカネの返済時期である償還期限が決められていますから、償還までもっている前提で考えれば、定期預金と同じように購入した時点で得られる利益は決まります。銀行を通さない分、得られる利益は定期預金よりも基本的に大きくなります。

ただし、いつでも解約して引き出せる定期預金と違って、償還期限が来るまで国や企業はおカネを返してはくれません。したがって、途中で換金したい場合はほかの投資家に転売することになります。

しかし、その時点で金利が高くなっていれば、すなわち、より高い利息の付いた債券が売られていれば、低い利息しか付いていない債券は安い値段でしか買ってもらえなくなります。この場合、損失が発生することになります。逆に、金利が低くなっていればより高い値段で買ってもらえるので、その分利益は大きくなります。

現在、日本国が発行する国債の金利は、償還期限が10年のもので年0.1%弱、20年のもので年0.6%程度となっています。定期預金よりは高いとはいえ、非常に低い水準のため、今後少しでも金利が上がると損失が発生する状態になってしまいます。

ちなみに、アメリカ国債は償還期限が10年のもので年2%以上と、日本よりも高い水準で推移しています(もちろん、アメリカ国債はドルで取引されますから、円で年2%の利益が確定しているわけではありません)。

③株式投資

定期預金や債券投資と異なり、株式はおカネを貸すわけではないので、決まった金額が返ってくる保証はありません。その代わり、投資先の企業が成長すれば、利益はいくらでも大きくなる可能性があります。

例えば、ファーストリテイリング(ユニクロ)の株価は7月28日の終値で33,310円ですが、5年前は15,950円、10年前は6,970円、20年前は804.55円(株式の分割を考慮した調整後)でした。20年で株価は実に40倍以上となっています。

一方、エアバッグの問題で経営破たんに追い込まれたタカタ。今年の初めには株価が一時1000円を超えていましたが、7月26日の終値は18円となり、翌27日に上場廃止となりました。上場廃止になると市場に株式を売りに出せなくなるので、株式をおカネに替えること自体が難しくなります。

このように、どの企業に投資するかで結果が天と地ほども変わってくる株式投資ですが、日本中、あるいは世界中の企業に少しずつ投資しておくことで、個別の企業による違いをならし、その国全体の経済の成長に見合った収益を得ることができるようになります。しかし、定期預金や債券投資と比較して、利益も損失も大きく出やすいことに変わりはありません。